オワリノナイ恋 / A. Masaki【23】-11.26更新- (ページ9)

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889.お待たせ･･･S ページ9

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「ごめん、お待たせ、、どうぞ」

遠慮がちに壁際に立って、玄関に飾ってあるなんてことない置物を眺めていた彼女にリビング扉からそう声をかけると
何度目かの「お邪魔します」を言って、部屋に入ってきた。

「適当に座って？」

「はい、、」

カーペットの上に座って、キョロキョロと室内を見渡す彼女に
やっぱ散らかってるか確認されてるよな、って自分のダメな部分を見られてる感覚に、日頃から掃除をしない自分を呪いたくなった。

「ごめん、細かいのは今度片付けるから、、」

「え、、、あ、、すみません、そんなつもりじゃなくて、！」

Aちゃんが慌てて謝って、

「おしゃれな部屋だなぁって思って、キョロキョロしちゃいました、、」

「デザイナーズ、、なんですか？」って俺の目を見て聞いてきた彼女の瞳を見ると
本当に部屋の汚さには気にしていないように感じて、ホッとした。

「俺がしたくて、お願いしたって感じ、、かな」

「へぇ、、」

「なかなか掃除する暇もないからさ、部屋おしゃれにしたところで、、ってのが出てくるんだけど･･･(笑)」

「でも、一人暮らしはそんなもんじゃないですか？私も、そんなもんでしたよ」

アハって笑ったAちゃんは、ほんの少し涙目で目は腫れてるものの
さっきよりは幾分か元気が戻ったようで。

「なら、良かった、、ちょっと他の部屋も掃除してきていい？テレビとか自由に見てていいから、」

「何か手伝えることあれば、手伝いますけど、、」

「や、大丈夫。ありがと」

リビングならまだしも、寝室とか脱衣所になってくると
見られちゃまずいものの他に、匂いとかも気になるし、手伝わせるわけにはいかない。

優しさからの声掛けに、感謝だけして片付けに向かうと
リビング同様、大方の片付けと掃除機をかけて、部屋に戻った。