754.お姉ちゃん ページ34
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「･･･なんか、、って、、どうしてそんなこと、」
家族はずっと私のコンプレックスだったから、、
家族仲のいい彼に対して連絡も取り合わない自分の家族の話をするのは、なんだか恥ずかしくって。
「ごめん、、ミチルちゃんから、」
「ミチルに、、？」
「ん、さっき会った時に、、」
さっきって事は、、出て行ったミチルと鉢合わせしたのかな･･･。
「･･･ミチルが私の家の話をしたんですか、、？」
「や、違くって！･･･俺も知ってると思ったみたいで、、！でもすぐに俺の知らない話だって気づいたから、私からは話せないって、、だからミチルちゃんは何も悪くないっていうか、」
雅紀くんの話に、嘘はないと思う。
ミチルは、今までだって誰かに私の秘密を勝手に喋るような子じゃなかったし
彼との関係上、彼が私の家の事情を知ってるって思うのも無理はないから。
全部、中途半端にしか話さなかった私の責任。
「聞いていいのかわかんなかったけど･･･俺、気になっちゃって、、」
「･･･」
「その･･･Aちゃん、って、、お姉さん、、いるの･･･？」
「っ･･･」
その言葉に、さっき以上に心臓が縮こまって、息が止まる、
「お姉さんの事、俺が知らないんだってわかった途端ミチルちゃん話しやめちゃったけど、、今までもお姉さんの話なんて、俺一度も聞いてなかったから、、」
雅紀くんは、純粋に自分の疑問をぶつけてるだけ。
初めて、彼が見た家族写真にもお姉ちゃんは写ってなかったし
実家に行った時も、他の人の気配なんてなかったんだと思う。
だから、彼が疑問に思うのは当たり前だ。
だけど、、
「お姉さんいるって言ってた「雅紀くん、」
「あ･･･うん、？」
「その話･･･ちょっと待ってもらってもいいですか、」
「え？」
「今は、話せない」
雅紀くんの疑問点である”お姉ちゃん”の話はしたくなくて、
自分の家の話をして、軽蔑されるかもしれないって思ったら、すぐには口を開けなかった。
話さないことで自分を守ったって、彼のことは結局傷つけるだけなのに。
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作者名：にゃん | 作成日時：2020年3月21日 9時
