オワリノナイ恋 / A. Masaki【1】 (ページ10)

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10.VIP ページ10

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あの後も、何度無視をしても電話が来たけど
流石にいたずらにしては、度が過ぎてる。

次着たら、やっぱり文句の一つでも言ってやろう。って携帯を握りしめた。

……とき

コンコンと、秘書室の扉がノックされた。

「わぁ！！」

マリ「ど、どうしたの？Aちゃん」

「い、いえ･･･(笑)」

隣に座っていたマリさんは、不思議そうな顔をしながらも
扉の向こうの人に、どうぞって声をかけた。

「すみません･･･あの･･･」

申し訳なさそうに扉を開けて入ってきたのは、4階のフロア受付の佐々木さんだった。

佐々木「今、4階の応接間にお客様がいらしてるのですが･･･その方がAさんを呼んでくださいって･･･」

「わ、私ですか？」

秘書課の私たちが呼ばれることは、別に珍しいことではないけれど
それは、クレームや社長への極秘の伝達とか緊張感のあるもので
秘書課に異動になったばかりの私はまだその役目を担ったことはなく
おもわずマリさんに視線を移した。

マリ「･･･誰かしら。4階の今日のこの時間帯のお客様って言ったら･･･」

きっと、マリさんはPCに映し出されているお客様リストを凝視してる。
でも、4階は一般のお客様ではなく、VIP待遇やお得意様なんかを通す部屋があるフロアで。

佐々木「10分ほどでいいということなのですが…」

「わかりました･･･マリさんちょっと出て来ます」

っていうと、マリさんはニヤッと笑って
VIPだからね？いってらっしゃい。って言った。