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熱出した時よく飲ませてくれたな
薬飲んでこれ飲んだら大抵次の日にはケロッとしてた
あったけぇ…やっぱり美味いな…
甘いのあんまり得意じゃなくてもこれなら飲める
「早く一也に飲んで欲しかったけど…遅くなってごめんね」
俺も現金なヤツだよなぁ…
シュンとしつつ上目遣いで謝られたら、真田と会ってたことなんて、結構どうでも良くなった
どんな話したとか気にはなるけど…
マグカップを手渡した時に触れたAの手はまだ冷たかった
「Aの手、冷たくて気持ちいいな」
それならと冷たい手を首元に持ってきて熱を吸ってくれると言う
外で喋ってたんだろう
病み上がりのくせに、この寒いのに何してんだか…
ぶり返したらどうするんだよ
布団の中に引きずり込んで、冷えきったAの身体を温めてやる
冷えた身体をのAを抱きしめるのは気持ちいい
「明日練習できるの？薬飲んだ？」
「沢村に変なもん飲まされた」
何それ…とクスクス笑ってる
俺の身に起きた惨事を話していると、完全に引いている
「降谷にまで羽交い締めにされて、ほんと最悪だったよ」
「うわぁぁ、想像しただけで具合悪くなってきた…」
再びやってきた倉持に、何やってんだーーと怒鳴られてAは布団から引きずり出された
何もやましいことはしてないよとあっけらかんに言うAに力が抜ける
「私は寒かったし、一也の熱を吸えたし一石二鳥でしょ？」
こう言う始末だ…
Aは俺の言葉を素直に受け取ってるだろうが、こちとら健全な男子高校生
抱き心地が良かったとか、服越しでもわかる太ももの感触とか思い出さないようにするので精一杯
倉持がご愁傷さまと言って去っていったのを見るとあいつは俺の気持ちにきっと気づいてる
ま、きっと気づいてないのはAだけだよなぁと…
結構分かりやすくアピールしてるつもりだが、Aにだけ伝わらない
この事とは別になにが悔しいかって、一晩寝たらすっかり良くなっていたこと
沢村のおかげじゃなくAのレモネードのおかげだということにしておきたい…
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
