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「どんなに好きでもいつか終わりが来る
終わりたくないから始めたくない…」
初めて自分の本当の気持ちを誰かに話した
矛盾してるって怒るかな…
ここ最近の一也へのドキドキの意味がなんとなくわかった気がする
一也が好き…
この言葉がストンと落ちてきて
でも、怖い…
一也が離れていくのが怖い
気づきたくなかったよ…
ずっと幼なじみでいれたら…
一也は黙って聞いていてくれた
一つだけため息を吐いて…真っ直ぐな瞳で見つめてくる
「Aの父さんだから、悪く言いたくねぇけど、これだけは言わせて…
一緒にするな！」
ベチッと当たったデコピンが地味に痛くておでこを抑える
「比べるわけじゃねぇけどさ、うちの父さん…多分まだ母さんのことずっと好きなんじゃねぇかな…
俺に母親が必要だって何度も再婚話持ちかけられたみたいだけど…全部断って
1人でも立派に育て上げるんだって言ってたらしいよ
高校は寮に入るって決めた時、事務のおばちゃんが大きくなったねって涙ぐみながら話してくれたんだ
Aだってよく言ってんじゃん
俺は父さん似だって、一途に思い続けるのもきっと似てるはずだけど…」
一也とおじさんはほんとそっくりだよ
同じ所に寝癖がついてたり
笑った顔も拗ねて不貞腐れてる顔も
よく似てる
「Aの気持ちはよくわかったけど…簡単に諦めきれねぇし、諦めるつもりもねぇよ
俺が離れていくのが嫌って、それ俺の事好きでしょ？」
自信家で軽口
普段飄々としてるのにこんな時は真剣な顔…
好きでしょ？って聞かれて、そうじゃないなんて言い返せない
「俺は隣にいるのがA意外なんて想像つかねぇけど…
Aは？俺以外が隣にいるって想像できる？」
「できない…」
「俺、女心なんてわかんねぇし、泣かせることもあると思う…でも…
俺が好きだと思う女はAだけだから…俺を選んで」
本当は嬉しいの
誰かに好きって言われてこんなに心が動いたことない
踏み出して傷つくのが怖いなんてとんだ臆病者だなと自分でも思う
一也が本気でぶつかってきてくれてるのもわかる
だから、余計に曖昧な気持ちのままじゃ返事できないよ
自分が思ってた以上に拗らせちゃってるみたいだ…
一也の野球の邪魔にならないか
わがまま言って困らせたりしないか
支えられるのか…
不安ばかりが過ぎってくる
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
