149 ページ3
オフっていっても練習はいつも通り
試合がない分気持ち的にキツい
走ってOKの許可が出た一也できることは限られてるからとクリス先輩のところでトレーニングやってるみたいだ
グラウンドで一也の声がしないと寂しいな
いつも聞こえる声がないと違和感しかない
日が沈むと一気に寒くなってくる
水仕事が辛くなってきたなぁ
道具を拭きあげてタオルを洗って干す
悴む指先にはぁ〜と息を吹きかける
一也まだ帰ってきてないのかなぁと夜空を見上げていると、視界にヌッと一也が現れた
「ひぃー、ビックリしたー帰ってきたんなら声かけてよ！」
「黄昏てんなぁと思って
予想以上のAの声に俺がビビった
どうだった今日の練習」
「………寂しかった…
え、あっ！ちょっと待って今のなし！」
チームの事を一也は聞いたんだ…
私の気持ちじゃない
「ほぉーAちゃんは俺がいなくて寂しいって思ってたんだ
へぇーそうかーなるほど」
なにがなるほどだ
わざわざちゃん呼びにしてからかってくるあたり、いい性格してるよ…
「一也はどうだったの？クリス先輩、元気だった？」
「元気だったよ
すげぇよな…あの人は1年も1人で耐えてそれでもプレーヤーとしての道を諦めてなかった
俺には一生適わない人だよ
今日改めて痛感した」
一也も、十分凄いと思うけどなぁ
沢村くん降谷くんなんか一也に受けてもらいたくて、遠路はるばる青道に来たわけだし
クリス先輩がいたから青道に来た一也
一也のキャッチャー姿に憧れて、一也から何かを学びたいと言う子が入学してくるかもしれない
「早く治してね
やっぱり一也がいないと…」
「寂しいか？」
「それは忘れて！みんな頑張ってるけど、張合いないなぁって声も聞いたし」
「口うるさいやつがいなくてせいせいしてるの間違いじゃねぇの？」
卑屈だなぁ、そんなことないよってフォローしたけど、どうかなとまだ納得いってないみたい
あ、もうすぐ一也の誕生日だ
今年は何をプレゼントすればいいかな
男の子の欲しいものはわかんない
毎年毎年悩みに悩んで結局無難なものになっちゃうんだよなぁ…
誕生日が終わったと思ったら今度はクリスマスだもん
どうしよう…
もう本人になにがいいか聞いちゃう？
今度買い出し行った時見てみよう
遅めの夕食を食べて、期末テストが近いから自主練を早めに切り上げたみんなとお勉強タイム
要領がいい一也が羨ましいな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
