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クラスでは倉持くんが一也に話しかけた
「おい、キャプテン」
ん？と自分を指さして小首を傾げる一也
てめーしかしねぇだろ寝ぼけてんのかってさっそくブチギレてる
「最近クリス先輩の所に入り浸ってるそうじゃねぇか
もうちょい代理しといてやるから、完璧な状態で戻ってこい
お前がいないと物足りねぇしよ」
「ハハー、キャプテンの苦労が身に染みたろ？」
「うるせぇなこのやろ」
「ははっ、図星だったか」
「それにAだって元気ねぇぞ
ブルペンやらホーム眺めてため息ついてるの何度も見たしなっ」
こらこら、倉持くん
私に矛先を向けるな
「冬合宿一緒に地獄見ようぜ」
「痛い…脇痛い…あいたたた…」
2人のじゃれあいを見てるのは和むなぁ
「なんでお前嬉しそうなんだよっ」
脇痛いって言ってたのに何故かニコニコしてる一也に倉持くんがツッコミを入れた
「Aが寂しがってるの堪んねぇよな」
なによそれ…
ニヤニヤしちゃってさ、ムカつくな…
「寂しいって思ってるのそんなにおもしろいの？酷くない？一也ってほんと意地悪っ！」
べーと舌を出して教室から出た
唯ちゃんと幸ちゃんに一也が酷いと泣きついたけど、ため息を吐かれて、一也が不憫だと嘆いていた
なんで私が責められるのか納得いかない…
「おい、どーしてくれんだよ
完全に巻き込まれ事故だろ、これ」
べーと舌を出して教室から逃げてった
行先は夏川たちの所だろうな
「知るかよ、お前の日頃の行いじゃねぇの？」
「勘違いして怒ってんのかわいくね？」
「だから知らねぇって、勝手にやってろ
まぁ、でもさすがはお前の幼なじみだな
どっか、ズレてる…」
「そうか？」
そういうとこだよと倉持に言われ頭を搔く
Aがニブチンなのは今に始まったことじゃねぇけどな
気づいてもらいたいような、貰いたくないような…
幼なじみというポジションが心地よくて、1歩ずつしか踏み込んでいけない
どうすっかなぁと考えているとチャイムが鳴りバツの悪そうな顔してAが戻ってきた
俺の隣の席だもんな
Aの反応見てると飽きねぇ
これがいかんのか？とさっき倉持に言われた言葉を思い出した
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
