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バレンタインが近いからだそう
当日は会えそうにもないから今渡しとくって
「ごめん、普通逆だよね…
なんも用意してないや…」
「Aちゃんから貰えるなら願ったり叶ったりだけど義理ならいらねぇよ？
海外では男から好きな子にプレゼントすることもあるんだろ？」
好きな子………？好きな……？
「え？！」
「ハハハッ！予想通りの反応！やっぱりAちゃんおもしれぇわ」
「そんな笑わなくても…」
「あー、ごめんごめん
今のでハッキリした、俺の事なーんも意識してないでしょ？
男として見てよ、見てくれるまで待ってるからさ
俺、Aちゃんに応援されたい」
返事に困ってると、ゆっくり考えてくれたらいいと優しく言われる
ボーッとしながら寮に帰った
部屋に入って照明をつける
とりあえず着替えよ…と服を脱いだ所に一也がいきなり入ってきた
一也もまさか私が着替えてる所とは思わなかったようで、ポカンと口を開けて無反応でずっとそこにいる
「ばかーー！！」
枕とかクッションとか手当り次第に投げて、まだそこに突っ立ってる一也に出てけ！ともう一度叫んだらやっと扉を閉められた
無理無理！最悪！
油断してた、鍵かけるの忘れてた
下着姿を一也に晒す事になるとは…
なんか用事があったらしく、しばらくそこにいたみたいだけど、今日は無理って扉を開けることなく、謝ってくれたのに追い返してしまった
ごめん、一也
しばらく顔見られそうにないや…
倉持くんはまた喧嘩か？とニヤニヤして聞いてきた
「喧嘩じゃない」
なら普段通りにしろと怒られてしまう
授業中に隣から小さく折りたたまれた髪が隣から飛んできた
中を見ると一也の字でごめんと書かれている
それはもういいよと書いて投げ返す
”あの日、誰とどこに行ってた？”
”一也には関係ない”
”言えよ！つうか書け”
”真田くんと買い物！この話はもうおしまい
今授業中！！”
こんなやり取りをして、無理やり私から切ったから
隣から紙をぐしゃりと握った音が微かにした
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
