近くて遠い ④【ダイヤのA】 (ページ14)

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嘘だよ…深い意味ありありだって

午前練習が終わってメシの話を沢村と降谷としてた時
沢村が一生独身を貫く為に料理できるようなったのかとふざけたことを言った

結局メシの話が盛り上がって昼飯を食い損ねるというオチ付きだったが…
独身を貫くつもりねぇと言った時、脳裏に浮かんだのはAの姿

まだ高校生だ
子供だしそもそも彼女にもしてねぇけど、A以外が自分の隣にいるのは想像できない

ひとまず幼なじみの関係から脱出しねぇとな…
そう思ってはいる…
安心しきって眠りこけているAの寝顔を見ているとこのままでもいいか？と思ってしまう

真田がどこまで本気かなんて知らねぇけど
密かにAのこと気にしてる奴はまだいる
うかうかしてられないな…

野球以外のことは器用じゃないって自他ともに認める
今、Aに気持ちを伝えても上手くいかない気しかしない
ほんとどうすっかなぁ…
疲れてるはずだから寝落ちしてもいいはずなのに、なかなか寝付けない
人の気も知らないでスヤスヤ眠るAを起こさないように、そぉーっと抜け出してバットを振りに外に出た

朝、父さんがわざわざ鍵を取りに行って家に帰れても夜1人にさせるのは心配だから、休み中ここにいてもらえと提案してきた

寮との往復を考えるとそれもそうかもな
明日には寮に戻るし、それがいい

3人で初詣に行って、食材やAの着替えやらいろいろ買い込んだ

温めて食べられるように作り置きを大量に仕込む

味見がしたいと口を開けて待ってるA
その後ろに待機している父

2人して美味しい美味しいと喜んでる

何度も何度も味見をさせろとAが寄ってくるから餌付けしてる気分になる

休みなんてあっという間

若干寂しそうにしてる父に見送られた

「お前は好きなことしてていいんだからな
悔いのないようにやれ」
持たせてくれたお土産の中にポチ袋が2つ
俺とAへのお年玉

おばさんも俺に用意してくれてたらしいが、Aが家の中に入らなかったから、慌てて寮に送って来てくれた

進展させたい気持ちはありつつ、センバツも控えてるし、沢村のナンバーズの特訓に付き合ったりで、野球漬け

沢村の練習にAも付き合ってくれる
コントロールが効かないどっかに飛んでったボール拾いだったがAは嫌な顔せずにやってくれていた

Aに感謝しろよ、沢村
室内といってもここは寒い
こんなに付き合ってくれるマネージャーいねぇぞ