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ナベが徐ろに口を開いた
「違ったらごめん…御幸とマネージャーってもしかしてさ、進展した？」
「は？えーと…」
ナベなら言ってもいいか？冷やかしてきたりはしないだろうし…
Aには黙ってろって言われたけどさ…
「言いふらすつもりはないから、安心して？
2人の雰囲気見てたらすぐわかったよ
お互いにチラチラ気にしてる」
クスクス笑うナベに指摘されて、思わず黙り込んでしまう
「いいんじゃない？今まで以上に頑張れるだろ？僕もできるだけフォローするから」
「ナベっていい奴だな」
「それでさ、怪我させちゃったのは…本当にごめん」
「それはしゃーないだろ
Aってちょっと抜けてるとこあるからなぁ」
2時間短期集中でみっちり練習してホテルに戻る
着替えて食堂に行くとデータをまとめ終わったのかAがんーーーと伸びをしていた
上から覗き込むと、おかえりとニコッと笑われて、ナベが言っていたことを理解する
確かにこれは頑張れるな…
周りに誰もいないことを確認して、のぞきこんだままAの額にチュッと口付けた
「ばかっ！誰か来たらどうすんの？！もう知らないッ！」
あちゃー、怒らせちゃったか…顔が真っ赤だったから恥ずかしがってるだけだろうけどな
誰が来たって俺は別にいい
Aは黙ってろって、キャプテンの威厳がとかどうのこうの…
Aがそうしたいならいいけどさ
俺的には彼女だって言いたい
その方がAにちょっかいかけてくるやつも減るだろうし、朝の会話からもまたAが注目されるのは面白くない
俺は自分が思ってた以上に独占欲が強いらしい
気が散るって程でもないが、楽しそうに部員と話してる姿を見かけたらモヤッとする
「A、素振りしてくるからそれ終わったら俺の部屋で待ってて」
夕食が終わり、洗濯物を畳んでいるAにルームキーを預けた
「………なんもしない？」
「して欲しいならするけど？」
「バカっ！」
Aに言われるバカは嫌いじゃない
Aがバカって言う時は大抵照れている時だから
素振りして部屋に帰ると、ドアロックでオートロックが閉まらないようにしてあった
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
