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「今日はお祝いだな。なに食いたい?なんでもいいぞ。」
「チャーハン。レタス入ったやつ。」
「そんなのでいいのかよ。もっと他に…」
「いいのっ!一也の作ったチャーハンが1番美味しいのっ!………しばらく食べられなくなっちゃうもん。」

「わかった。ちょっと待ってろ。すぐ作る。」

寮に入っちゃうから、今までみたいに一緒にいられない。
美味しい一也のご飯も食べ納めかと思うと心にぽっかり穴が開いたみたい。

包丁が軽快にネギを刻んでいく。
一也の得意料理の中でもレタスチャーハンは特別に好き。
どれもホントに美味しいんだけど。


フライパンを振る一也の背中を見つめているとこの姿もしばらく見れないんだなぁとしみじみ思った。


学校では会えるんだけどね。
クラスが一緒になるとも限らないし、きっと野球で忙しいから相手してもらえないかもしれない。


「あ、父さんもお前の合格ソワソワしながら待ってるかもな」

「そうだね。報告してくる。」

おじさんに報告に行くと従業員のおじさんたちもみんな自分の事のように喜んでくれた。

御幸スチールのみんなは私のお父さんみたいな感じ。
本当のお父さんがいなくても全然寂しくなかったのはここのみんなのおかげだ。

みんなに可愛がってもらえて感謝しなさいと母はよく言う。
ホントに感謝しかない。

報告を済ませて上に上がると、チャーハンと私が好きなケーキ屋さんのフルーツタルトが食卓に並べられてた。

「どうしたの、これ。」

「絶対に合格するって信じてたから買っといた。
合格おめでとう。」

「一也、ありがとう!嬉しい!!」

「待て待て、いちいち抱きつくな。」

「嬉しいんだもん!」

やめろと引き離された所に一也の電話が鳴った。

「あー、鳴か。
うん、そう。合格したってよ。わかった!代わるからギャンギャン吠えんな。」

ん、と差し出された電話。

相手は鳴ちゃんだ。

「もしもし?」
「とりあえず、合格おめでとう。
Aには稲実に来てほしかったなぁ。」

「ありがとう。
青道落ちても実業高校にはいかないよ?男の子しかいないじゃん。」

「俺が甲子園連れてってあげるのに。」

「鳴ちゃんが言うとホントに聞こえるから怖い。白河くんやカルロスくんに迷惑かけたらダメだよ。」

「かけねぇし。もうAは!」

一也の作ってくれたチャーハンが冷めちゃうからまたねぇと一也に電話を返した。
俺はチャーハンに負けるのかとご立腹だったらしい。

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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