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ピピッと電子音がして何度か見てみたら、その数字にびっくり。
眠る前より今の方が楽だから、さっきは一体何度あったのか。

「んー、ホントはすぐにでも病院行ったほうがいいんだろうけど…朝まで我慢できるか?」

「うん。逆にもう動きたくないから、このまま眠りたい。」

アイスノンも替えて、冷却シートも張替えられて
冷たさが気持ちよくて目を閉じる。

一也が頭を撫でた。
どっちかが熱を出したら、こうやってそばにいてずっと頭を撫でるのが私達のルーティーン。
弱ってる時に人の手って安心する。


「まだ水飲む?」
「欲しい。」

さっきみたいに口移しで、水を飲ませてくれた。
少しずつゆっくり、水が流れ込んできて
コクコクと飲み込むと気分は少し良くなってきた感じがする。

「なんかあったら電話して。」
「ごめんね。ありがとう。一也も寝ていいよ。」

付きっきりなんて申し訳無さすぎる。

「Aが眠るまでここにいる」

誰か持ってきてくれたのかな。
加湿器の音が子守唄みたいに聞こえて、すぐ睡魔がやってくる。

おやすみって一也の声が遠くで聞こえた。

大田部長が病院に連れて行ってくれた。

診断は慣れない寮生活にようやく慣れて安心したから気が抜けて、溜まっていた疲れからだろうって。

よく食べてよく眠ること。
そう言われた。


熱が下がりきっても無理は禁物と念を押される。

「しばらくは練習に出てくるなよ。しっかり治してまた頑張ってくれ。」

「はい、すみません。」


寮に戻ったら、一也がちょうどお粥を持ってきてくれてた。


「食えそう?」
「昼休みに作ってくれたの?わざわざ?」
「Aは熱出したらこれしか食わねぇだろ?」

鶏ガラのスープしみしみの卵粥。
梅干しも添えてくれてて、一也が作ったのが一番美味しい。

お母さんが作ってくれたのはなんかちょっと違う。

「ありがとう。食べる。」
「おぅ。それ食って、早く良くなれ。みんな心配してっから。」
「うん。」

熱が下がり切るまで2日かかっちゃった。
幸いオフに入ってたから人手不足ではなかったみたい。
練習終わりに一也が毎日様子を見に来てくれて学校ではこんなことがあったとか、練習中のこととかたくさん聞かせてくれた。

倉持くんはノートを取ってくれて、感謝しかない。

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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