検索窓
今日:4 hit、昨日:29 hit、合計:61,262 hit

45 ページ45

アイスノンやスポーツドリンクを持ってきてと一也が頼んでた。
よっしゃと翔けていく足音が遠ざかっていった。

「体温計探してくるから、髪乾かしとけよ。」

ドライヤーを手渡されたけど、そんな気力ないよ。
ベットに寄りかかって目を閉じる。
コンコンとノックされて、返事をすると倉持くんがワタワタしていた。

「入っていいのか?」
「どうぞ」

続いて一也が戻ってきてくれた。

「入んねぇの?」
「や、だってよ、女の子の部屋なわけだし…」
「手伝ってくれてるわけだし、遠慮すんな」

髪の毛を乾かしてなかったことをまた怒られ、一也に乾かしてもらって熱を測られた。
叩き出した数字に2人は青ざめる。

「はぁ?まじか…」
「これは知らない方がいいかもな。余計に熱上がる。」

やっとの事でベットに潜り込んでアイスノンの上に頭を置く。
ひんやりして気持ちいい。

来客者が次々と来てるっぽい。
みんなどこからか聞きつけて、
冷却シートとかスポーツドリンクとかアイスとか栄養ドリンクとか、たくさん差し入れしてくれた。


「Aってホント愛されてるな。」
「それは普段のこいつの頑張りからだろ。ホントよくやってくれてる。」

「早く良くなんねぇと、この部屋スポーツドリンクで溢れかえるぞ。」

返事しなきゃと思っていたけど、突然襲ってきた睡魔に負けた。




次目が冷めた時、誰もいなくて
ちょっと心細くなる。

喉がカラカラでサイドテーブルの上に置かれたペットボトルに手を伸ばした。
キャップを開けたいけど、熱で握力まで奪われたか…
諦めた所に一也が戻ってきてくれた。

「起きたか。どうだ気分は。」
「お水飲みたい。開かないの。」

ごめんごめん、開けとくべきだったなとカチッとキャップを開けて持たせてくれた。

掴んだつもりだった。
スルリと手から滑り落ちて服も床も水浸し。

「後で文句言うなよ。」

かろうじて残った水を口に含んで、飲ませてくれた。
口移し。

カラカラの喉に冷たい水が染み込んでいく。
口の端からこぼれ落ちた雫を指で拭ってくれた。

「服着替えろ。その間に床も拭いておくから。
見られたくなかったら、早くしろよ。」

一也の服…。すぐそこにあるのに、チェストを開けないのは気を使ってくれてるからかな。
一也なりの優しさに感謝して、着替えてベットに重たい身体を預ける。

「もっかい測って。」
「うん。」

46→←44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。