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パチッと目が覚めた。
あれ?目がかなり乾燥してる。
取りに行ってもらったのに、結局コンタクトつけたまま寝ちゃったか…。
隣からスースーと気持ちよさそうな寝息が聞こえる。
あ、一也だ…。
あのままここにいてくれたんだね。
時計を見ると6時すぎ。
早起きな一也にしてはねぼすけだなぁと、眼鏡をかけたままの寝顔を見ながら思った。
寝不足みたいだし、もうちょっと寝かしてあげようと起こさないように、ソッとベットから抜け出してトイレへ向かう。
うん、昨日より痛みは少ない。
これなら歩ける。
「はよ。」
「倉持くんおはよう。」
昨日の夜、倉持くんは帰省中だったのに1日早く帰ってきた。
地元にいてもやる事がないからってのが理由らしい。
「御幸、部屋にいねぇんだけど知らねぇ?」
「まだ寝てるよ。」
「どこで。」
「私の部屋で」
「はぁ?一晩ずっと一緒だったのかよ。」
「え、うん。」
そんなに驚く事?
小首を傾げてると、盛大なため息を吐いた。
「わり…今の忘れろ」
ガシガシと頭をかいて、もう一つため息。
トイレを済ませて部屋に戻るとまだ寝ぼけてるけど、ベットに座った一也がいた。
「起きろっ!」
「あれー?倉持なんでいんの?」
「帰ってきたんだよ。おら、素振り行くぞ。」
今日も暑くなりそうだなぁ。
まだ涼しいうちに朝の自主練へ引きずられるように向かっていった。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう」
ふたりが素振りしてるのをベンチから眺めていると小湊先輩と楠木先輩がバットを持ってやってきた。
「Aちゃんは、哲がキャプテンてどう思う?」
「結城先輩ならピッタリじゃないですか?
背中で語るタイプの人だと思うけど、結城先輩ならプレーで新チームを引っ張っていってくれると思います。
誰よりもバットを振ってるのはあの人だから。」
「やっぱりね。
俺達も哲がいいと思う。このチームのキャプテンてそれだけでプレッシャーだと思うからマネージャー達も手助けしてあげて。」
それはもちろん。
私に何ができるかわからない。
将棋の相手くらいかな。
一也と御幸スチールのおじさまたちに仕込んでもらったから多少はできる。
初心者の私でも勝っちゃうことあるのはどうしたものか…。
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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時