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風呂から出たら目の前の光景にびっくりした。
楠木先輩とAが…キスしてる……。
は?なんで?
今日の言動で楠木先輩がAの事気に入ってるのはわかってた。
Aは?
どうしようって困ってなかったか?
こんな簡単にキスさせるようなやつだったか?

待てよ。そもそもホントにキスだったのか?

楠木先輩の右手はAの後頭部にあって
左手はAの右手を掴んでいた。
そのまま頬に触れて、近づいて離れた。

俺の位置からは、主にAの頭しか見えねぇけど、どっからどう見てもキスしてたよな?


「あ、一也!」
俺の視線に気づいたのか、Aが振り返って俺の名前を呼んだ。
スッと立ち上がってこっちに歩いてこようとする。

馬鹿!足捻ってんだろ?そんなに急に立ち上がったら………、ほら見ろ。

バランス崩して転んじまうぞ。
Aに駆け寄ろうとした時、楠木先輩がAの腹に腕を回し、転ばないように自分の方に引き寄せた。

「危ないよ。」
「ご、ごめんなさい…」

「足、痛いの忘れてただろ。気をつけねぇと長引くぞ。また明日ね。おやすみ。」
そう言ってAの頭を撫でていく。

Aを支えていた楠木先輩から、引取って彼女を部屋まで連れて行く。

なーんかテンションがおかしい。
カラ元気というか、なんか誤魔化そうとしてるのか?

「ねぇ、一也
聞いてる?ぼーっとしてどうしたの?」

おーいと手をヒラヒラ顔の前で振ってくる。
覗き込むように見てくるから、自然と上目使い。

黙ってれば可愛い顔してんだよなぁと、長年見慣れた幼なじみの顔をジーッと見つめていた。

「一也くーん?」
「え、なに?」
「コンタクトの液、貸してくれない?
ケースは辛うじて持ってるけど、液がなくって。」
「あー、わかった。取ってくる。」


部屋を出て自室へ。
ルームメイトは帰省中。
誰もいない部屋の灯りをつけて、コンタクトの液を手に取る。
今日、なんか駄目だ。
調子狂う。

Aのあんな現場目撃してしまったから。

しばらく部屋でぼーっとしてると、窓に叩きつける雨音で割れに返った。

遠くで雷の音がする。

ゲリラ豪雨ってやつか。
あっという間に土砂降りになり、雷鳴が響いていた。


あ、まずい…。
Aのやつ泣いてんじゃねぇ?

Aの苦手なものはもう一つある。
雷が怪談話と同じくらい苦手。

部屋を飛び出して1階のAがいる部屋へ急ぐ。

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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