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「ありがと…」
「俺のこと庇って怪我しちまったわけだし…」

一也のせいじゃないよ。
気にしないでって言ってもたぶん一也は気にしちゃう。
私が突っかかっていったのが悪いのに。

先輩たちがジュースやお菓子をたくさん差し入れてくれた。
おのおの好きな事をここでやってる。
みんな自分の部屋帰らないんだなぁ…
退屈しないように気遣ってくれてる。

ただ、小湊先輩がホラーの映画を流した時は必死て止めた。
怖い、無理!
トイレいけなくなる。
「おもしろいのに。じゃとっておきの怪談聞かせてあげようか?」

「待って!!もっと無理です。」
「あはは。そんなに拒否らなくても。怖がりなの変わんねぇのな。」

私が怖がりなの、半分一也のせいなの覚えてるかな?
怖い番組を怖いもの見たさで見ているときに、後ろから驚かすから。
それっきり全く受けつなくなった。

「じゃぁ、軽めの話してあげるよ。」

「きゃーー、やめてくださいっ!」
願いは聞き入れられず、小湊先輩が話す怪談を一也に隠れながら聞かざるを得なかった。


食堂でみんなでご飯を食べて、一番風呂を譲ってくれた。
怪談を聞いた後に一人でお風呂に入るのは何たる苦行…。

「一也、お願いだからそこにいて。」
「わかったから、早く行ってこい。」
「覗かないでよ。」
「ったく、注文の多い奴。頼まれたって覗くかよっ」
「その言い方は酷いと思う…」
「いいから早くいけ。」

お風呂から出て、今度は一也の番。
涼みつつ一也が出てくるのを外で待った。

着替えなかったから一也のを借りてる。
下着類はマネージャー室のロッカーに置いてあったのを思い出した。
汗かくからって置いててよかった。

何度借りても自分のチビさ加減にため息が出る。
これじゃ一也が、チビチビ言ってくるのもわかる。
何度目かのため息を吐き出したら楠木先輩が声をかけてくれた。

「風呂出たんだ。テーピング濡れちゃっただろ?巻き直そうか。」

「何度もすみません。」

「いいよ、これくらい。#name1#ちゃんはいつも頑張ってくれてるしね。」

丁寧に巻きながら楠木先輩は、ほんと気をつけなよって言ってくれた。

「悔しかった…悲しかった……
たぶん、もうあの人たちもう野球してないんです。なのに…」

日焼けしてなかったし、鍛えてるなんて程遠い感じだった。

「うん、もうわかったから、泣かないで。」

ベンチに座った私の隣に楠木先輩が腰をおろしてグズグズ泣く私の頭を撫でた。

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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