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「服、伸びる」
一也の声で初めて気がついた。自分が一也のTシャツの裾をギュッと掴んでいた事に。

「テンパったら俺の服の裾つかむ癖変わんねぇな。楠木先輩もお前のどこがいいんだろうな。」

「やっぱあれってそういう意味?」

「それ以外に何があんだよ。」

「どうしよう…」

「どうしようって好きか嫌いかだろ?」

嫌いじゃないけど…野球部の先輩としか見てなかったから、恋愛対象としてどうなのか、わかんない…

「Aに彼氏ができないのがよくわかった。」

「一也だって彼女いないじゃん。」

「俺は作る気ねぇもん。野球漬けの3年間で上等。」

何故かモテるのに彼女いらないって贅沢者め。


「Aに彼氏ができたら、どんな気分なんだろうな。」

「寂しいって思ったりする?」

かもな…って予想外の返事が返ってきた。
寂しくねぇよって言われると思ったから揶揄い気味に言ったのに。
調子狂うな…。

「A、これから出るからちょっと付き合え。」
「どこに?」
「スパイクとミットのメンテ」
「わかった。」


一也と出かけるのなんて久しぶりだなぁ。
学校を出てスポーツ店へ。

「こらこら、走るな。車来てるぞ」
だって楽しいじゃん。
一也が落ち込んでる私を楽しませようとしてくれてる。一也だって、いや実際試合をしてた一也の方が悔しいのに決まってる。
それなのに気遣ってくれようとするのわかってるから、楽しまなきゃ。

道具をメンテしてもらってる間に、近くの大型ショッピングモールへ足を向けてみた。

洋服なんて久しく買ってないし、見てるだけでも楽しい。

「Aにはこっちのほうが似合うぞ」

どっちがいいかな?って悩んでる所に、一也が指差したのは一番最初に目についたスカート。

「そう?昔っから一也の言うとおりに服を買えばみんな褒めてくれるんだよね。不思議。」

「俺の見立てもなかなかだろ?」

悔しいけど、そうなんだよなぁ。
一也がお手洗いに行っている間に、近くの壁に持たれて携帯のチェックをしていた。
 

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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