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今日は寄り道をしなきゃいけない。
クリス先輩が入院してる病院に、お届けものをしなきゃいけなかった。
私の帰り道だからと先輩達から預かったもの。
「失礼します。」
「お前か…どうした?こんな時間に…用がないなら早く帰れ。」
「これ、2年の先輩達からです。
いろいろ差し入れあるんですよ。ここ置いときますね。」
こういう時、なんて声をかけたら正解なのかな。
どの言葉も今のクリス先輩には届かない気がして、早々に病室を出てきてしまった。
退院してきてもリハビリの為に練習を早く上がる。
投手陣のメニューは以前よりキツイものになったみたい。
グチグチ文句を言う人もチラホラ…。
クリス先輩が考えてくれたメニュー。
きついけど、これは体感とかインナーを鍛える為の、故障しない身体作りの為のメニューだ。
自分が故障しちゃったから、他の人にはそうなってほしくないんだろうな。
クリス先輩の優しさだって、ちゃんとわかってほしい。
「お疲れ様です」と上がっていくクリス先輩に1年生が声をかける。
「先輩、いってらっしゃい。」
答えてくれることは少ないけど、声をかけ続けた。だんだんと「行ってくる」とか「あぁ」とか返事を返してくれるようになってきた。
「選手としての道を諦めたわけじゃないからな。」
みんなには内緒だぞってクリス先輩がコソッと教えてくれた。
どんなメニューをこなしてるか気になって、クリス先輩に聞いたことがある。
リハビリだけじゃない。
トレーニングだった。このキツイメニューをこなしてるなら、選手としてまだやりたいって気持ちがあるのは一目瞭然。
だから、諦めたわけじゃないって言葉が聞けて嬉しくなった。
クリス先輩と一也のガチンコの正捕手争い、見てみたいもん。
二人ともきっと目を輝かせながら切磋琢磨するんだろうな。
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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時