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「だから!息抜きだって。
今からそんなにコン詰めてどうする?ギリギリの成績じゃねぇんだし、ペース配分考えろ。

昨日だって遅くまで勉強してたんだろ?」
なんで知ってるのよ…。

そんな私の表情を読み取ったのか、一也は優しく微笑んだ。

「目の下、クマが出来てるし、俺の部屋からお前の部屋よく見えんの。俺が寝るときまだ灯りはついてた。」

「えっち…」

なんでだよ!とポコッと小突かれた。

「どこ行きたい?」

「バッティングセンター!」

「当たんねぇのに?」

違うよ。
私は、一也のバッティングが見たいの。
真剣な顔してバッターボックスに入ってるかっこいい一也が見たい。

息抜きの意味わかってるか?と笑われた。
爽快に飛ばす一也のバッティングを見ることが息抜きだと返す。

わずか2球でホームランの的に当てて景品のノラネコギャングのぬいぐるみをくれた。

「そんなのが好きなのか?」

かわいいかわいいを連呼する私に一也は呆れ顔。

猫だかクマだがわかんないのがツボすぎる。
一也だってTシャツ持ってるじゃん。
と言っても私が押し付けたようなものだけど。

日が暮れるまで遊び倒して、ヘトヘトになって家に帰った。

「一也くんのところ行ってきて。」
帰ったばかりだというのに、ついさっきまで一緒にいた相手の所に行ってこいと母は言う。

お菓子をたくさんもらったからおすそ分けだそうだ。

「一也は甘いもの食べないよ?」

「一也くんじゃなくても、工場の人たちがいるでしょ。つべこべ言わずに行ってきなさい。」


工場に顔を出すと、おじさんがにこやかに迎えてくれた。

「これ、うちの母からです。
みんなで食べてって。」

「いつもありがとうな。
茶でも入れて休憩しよう。Aちゃんも飲んでいきな。」


勝手知ったる御幸スチールの台所。
私がやるよと申し出た。

お茶を配ってると一也が買い物から帰ったみたいで、何やってんの?と…。

「おすそ分けとお手伝い。」

いる?と聞くとお茶だけ飲んでいた。



Tシャツの上に作業服を羽織って、一也もおじさんの仕事を手伝ってる。

よく見る光景だけど、作業服を着ている一也はなんだか大人っぽく見える。

従業員のおじさま達からも受験勉強頑張れとエールをもらった。

一也は本当にすごい。
家事もやって、おじさんの仕事も手伝って、野球も天才キャッチャーって言われてる。

幼なじみの贔屓目がなくても、尊敬できる。

私も負けてられない。
絶対、青道に合格すると意気込んだ。

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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