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夏合宿前の束の間の休息の時間。
先輩達からもキツイよって聞いていたけど、あの一也がノックから外されるなんて。
ラストのベーランが終わった後、一也は立ててなかった。

「マネージャー!水持ってきてやって。」
「はい!」

膝をついて大きく肩で息をしてる一也。
酸欠寸前だ。
指先が震えちゃってる。
こんな一也見たことない。

「大丈夫?」
「……あぁ。」

持ってきた水を一気に煽って、むせてしまった。

「あーー、もう。
一気に飲むから。ゆっくり飲みな。」

「クソッ…自分がこんなに体力ねぇなんて思ってなかった…。」
「先輩たち…すごいよね。」
「置いてかれてたまるかよ…」

肩を貸すと、立ち上がって先輩達の自主練にくっついていく。
肩に自信があって、いくつもの盗塁を阻止して来たけど、今日の送球はいまいちだった。
疲れてるから仕方ないけど。
それが悔しかったのか、ネットに向かって送球練習してる。

「セカンドベースに立とうか?倉持くんみたいにうまくないけど、捕るだけならできるよ。」

「頼む。」

一也の力強い送球がグローブに収まる。

「おしい!5cmズレた。」
「クソッ!もういっちょ」

一也が野球を始めた頃は、キャッチボールの相手にもならなかったけど、今は捕るだけならできる。
投げれないけど…。

セカンドベースの上にドンピシャなボールを10球連続で決めて自主練はおしまい。

「ストレッチ付き合うよ。」
「服、汚れるぞ。」
「汚れる為のジャージでしょ?」

泥だらけになって、クリス先輩の抜けた穴を一生懸命埋めようとしてる。
周りに何を言われようと、一也は努力してる。

青道の正捕手が1年で大丈夫か?
生意気だ。
ランナーいない時のバッティングは頼りない。

散々な言われようだけど、一也は気にしないで
夕食が終わった後、今日も隠れてバットを振りに行った。


「さすがに今日はいいって。歩くのつらいでしょ?早く休んで。」

駅まで送ってくれると言うのを丁重にお断りした。

「後ろ着いてきたら怒るからね!
一也、ハウス!」

「俺は、犬かよ…。」

身体バッキバキなはずなのに送ってくれようとするんだもんなぁ。
意地悪だけど優しい。
どっちがホントの一也かわかんなくなるときがある。
 

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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時

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