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「まだいたの？こっち飯終わったぞ」
「わっ、楠木先輩？！びっくりした。」
急にひょこっと顔が出てきたから
話しかけられて心臓が跳ねた。
「スコアの練習？」
「はい、元々つけれるんですけど、一也が見にくいって。どうしたら見やすくなるかなぁ？って考えてました。」
一也の注文は厳しい。
変化球がわかるようにしてくれとか
今度は球種もと注文が増えていく。
打球もフライなのかライナーなのかゴロなのか
わかるようにつけてくれと頼まれてる。
「ふーーん。十分だと思うけどね。
いいね。何事も一生懸命で頑張り屋さん。
いっつもパタパタ走ってるもんな。」
楠木先輩はすっごく優しい。
いつも気にかけてくれてて、明るい声がよく通る素敵な人。
一也からは私を甘やかせないでって言われてるみたいだけど。
「あ、そうだ。これあげる。」
「プリン？」
「増子から奪ってきた。」
「えー、増子先輩かわいそうじゃないですか！もらえませんよ。」
「うーそ。今日の夕食のデザートだから。プリンあんまり得意じゃないから、Aちゃんにあげようと思ってね。」
「それこそ増子先輩にあげては？」
好物だと同室の倉持くんから聞いた。
「あいつは食いすぎ。御幸はまだ食ってたから、帰る前に食べちゃいな。」
食事の多さに一也はまだ苦戦していた。
前園くんのお皿にコッソリ移す事もあるみたい。
内緒だぞって念を押されてる。
楠木先輩がくれたプリンを食べていると
一也が食べ終えて帰るぞーと迎えに来た。
「また明日ね。」
「はい、お疲れ様です。」
素振りをしに行った楠木先輩を見送る。
「仲良いじゃん。」
「先輩たち、みんな優しくしてくれるよ」
「可愛がられキャラ健在だな。」
「そのキャラなに…」
今日の練習はどうだったとか
明日の監督の授業当たるとか
中学の時の変わらない会話をする。
でも、一也、また身長が伸びたみたい。
この前より頭が上にある。
「気をつけて帰れよ。」
「うん、一也もね。おやすみ。」
「おやすみ。」
送ってくれるのはありがたいのだけど、練習時間減っちゃってるよね。
明日から送りはいらないって伝えようかな。
伝えてみたものの、ダメ！って即答された。
「Aになにかあったら、おばさんに会わす顔がなくなるから。
それに…」
「それに？」
「なんでもねぇよ。」
電車来たぞと背中を押された。
最近よく言いかけた言葉を飲み込まれることが増えたなぁと電車に揺られながら思った。
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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (
レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩葉 | 作成日時：2020年12月5日 12時
