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駅まで送ってくれてお礼を伝える。
「知らない人についていくなよ。」
いくつだと思ってんのよ…
「一也は早く帰って寝なさい。」
「Aは寝るなよ。降り過ごすぞ。」
「頑張る…。」
「つく頃メールする。」
いいよ、そんなの。
あれだけ練習してるんだ、ちゃんと休んで欲しい。
断ったのに、しっかりメールくれて、無事に降りたことを返信した。
「マネージャーおはよう。」
「おはよう、Aちゃん。」
マネージャーは朝練は自由参加でいいと聞いたけど、早く仕事を覚えたくて始発で来た。
小湊先輩、楠木先輩が挨拶してくれておはようございますと答えた。
「元気いっぱいだな。へばってるって思ってたけど。」
「帰って爆睡したので、復活です。」
「授業中寝るなよ。」
楠木先輩たちが思いの外構ってくれて結構早い段階で先輩達とは馴染めた。
一也の尊敬するクリス先輩とも会話をできるようになった。
「ねぇ、クリス先輩ってあんな感じの人だった?中学の時ってもっとこう…明るい感じの人じゃなかったっけ?」
初めて話をした日、帰り道で一也にそう聞いた。
「ここで再会してからはあんな感じだぞ。」
「うーーん。それにさ、なんか投げ方変わってない?」
「よく見てんな。」
それからしばらくして、クリス先輩の肩の故障が告げられた。
完治まで1年。
それって事実上の引退勧告。
それからクリス先輩は、別人のようになってしまった。
前みたいに笑いかけてくれなくなった。
オーラも消えてしまった。
夏前のこの時期に正捕手が抜けた。
ミーティングで一也の名前が呼ばれて、ベンチ入りメンバーに。倉持くんがすごい顔をしてた。
「ちゃんと競いたかった」
ベンチに入ったのに一也は少し残念そう。
特待生として入学してすぐに1軍に合流してるから監督はちゃんと一也のこと戦力としてみてる。
怪我人が出たからってだけで正捕手に任命したわけじゃない。
「しっかりしろ。落ち込んでる暇ないよ。クリス先輩の分までやんなきゃ。誰よりも練習して1年の癖になんて言われないように。
一也ならできる。」
「落ち込んでるように見えたか?
やっぱAがマネージャーになってくれて良かったよ。」
ポンポンと頭を撫でられてサンキュと小さい声で呟いた。
飯食ってくると食堂に行った。
グラウンドのベンチの掃除を終えて、スコアブックを開いた。
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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時