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怖い人じゃないのかな…。
差し出された手を握り返したら、手の中に何かある。
開けてみると、出会いたくない黒光りするあの害虫!
絶叫マシンに乗ったってあんな声出したことないってくらいの叫び声が隣のクラスにまで届いたんだろう。
一也が血相を変えてやってきた。
「叫びすぎだろ…まだ早いからそんなに生徒いねぇけど、迷惑!」
「誰のせいだと…」
「どした?」
驚いて手を払った時に飛んでった黒光りしてるものを指差した。
「おもちゃだろ?早速標的にされたってわけか。」
「ヒャッハー、お前おもしれぇな。」
「おもしろくないっ!びっくりしたんだから!」
独特な笑い方をする倉持くんを涙目で睨みつけた。
この人嫌い。
「仲良くしろよ、マネージャーするんだろ?」
「そう聞いてたからお近づきの印だ。」
「まだするって決めてない。」
「なんで?」
「役に立てるって思えないから。一也の事応援するならブラスバンドとかチアとか方法はたくさんあるし。悩んでる。」
「演奏できたっけ?」
「うっ……」
「お前、リズム感ないのにチアのダンス踊れんの?それに結構ハードだぞ。」
「うぅっ…」
したくないわけない。憧れてた青道野球部のマネージャー。
憧れが強いほど、私がそこに足を踏み入れていいものかと躊躇する。
「ま、放課後見学来いよ。待ってるから。」
「行ってみるだけね。」
倉持くんにちょっかいをかけられつつ高校生活1日目が終わった。
今日もさすがにギャラリー多いな。
その中に紛れて練習を見つめる。
1年生はランニング中、その中に一也はいなかった。
やっぱ一也はすごいなぁ。
先輩相手でも物怖じしてない、支持をバンバン出してるし。
真剣に野球に取り組んでる一也はかっこいい。
「あれ?君は確か…。」
ギャラリーもはけて私一人になった時、やってきたのは楠木さん。
こっちに飛んできた打球を拾いにきた。
「受かったんだね。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「今日は見学?マネージャーするの?」
「どうしようかと悩んでて…先輩マネージャーもたくさんいるみたいだし。」
「3年生が3人、2年生が2人。新入生も2人希望者いるってさ。」
「そんなにいらないですよね?」
「うちは部員多いし、3年生はすぐ引退するからね。どうかな…。」
野球見るのも応援するのも好きだけど、やっぱり私にはできないかな…。
一也にもちゃんと話しよう。
練習も終わったっぽいし、私も帰ろ。
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ow17fc14(プロフ) - マリイさん» コメントありがとうございます。自信はないですが、御幸の話が終わったらチャレンジはしてみようと思います。気長にお待ちください。 (2020年12月10日 9時) (レス) id: aa2425e726 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年12月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩葉 | 作成日時:2020年12月5日 12時