【戦国BASARA】奥州に舞い降りたお馬鹿さん ＊三＊

。＋。第百十一話。＋。　わたしは・・まもれたの・・？ ページ20

貴女side





・・・こんなところで、終われない・・・・！！！





『こん、な ところで・・終われねェんだよ・・！！』


「・・立ち上がりましたね・・それでこそ音竜・・」


『私のこの命尽きるまで、戦ったるわ・・！！！』





私はグググっと長刀を支えに立ち上がると、その拍子でブチっと髪を結んでいたゴムが取れた。

髪をおろしたまま幸村さんの鉢巻きを巻きなおし、長刀をカランカランと手放すと、

佐助から貰った２本のクナイを構え、奴を再び睨んだ。





「・・あの竜に育てられた故、やはり粘り強いですね・・。

・・・撃て」



ドンドンっ！ヒュン・・。



『・・うらあァァァァァァ！！！』





私は２本のクナイで弓を斬り捨て、銃弾はある程度避けた。

怪我をしてる故、何発かは 腕や足・頬を掠め、血が出てきてしまった。


なんだか胸がグルグルと気持ち悪くなってきて、嗚咽感に襲われた。





『うっ、うえっ・・がっは・・・』


「・・どうしました？気分が害されたので？

・・ならば、私が美味しく頂きますよ・・」



ガッ、ゴッ・・！！



『うっ、あっ・・』



ぐしゃっ・・。



『あああああっ！！！』



どしゃ。





私はまた奴に殴られ蹴られ、最後には傷口をえぐられた。

痛さに耐えられなくなった私はドシャっと倒れてしまい、すると奴は私の髪の毛を引っ張った。





「・・殺してしまうのは、惜しいですね・・。

・・一生、私のモノとして・・・」



『あっ、ああっ・・・』



「Wait！！！・・その女から・・Aから手を離せ！！！！」





もう駄目だと思った時、私の好きな声がして、虚ろな目でそちらを見ると―――。





『まさ、むね、さん・・・』


「・・・独眼竜、ですか・・。・・今日は退くとしますか、食べすぎは身体に毒ですしね」


「Shit！！！！・・A、大丈夫か？！」





奴が兵を率いて帰って行くと、政宗さんは私に駆けつけ、抱き上げてくれた。





『なんで・・？』



「報が来て、駆けつけたんだ。・・大丈夫か、A？」



『まさむねさん・・わたし、ぜんぶ まもれた・・？』



「ああ、護れてたぜ。お前のお陰で誰も傷つかなかった・・」



『よか、った・・わたし、まもれたんだ・・・』




「A？Aっ！！！！！」







それを聞いて安心した私はスッと目を閉じた。


どんどん政宗さんの声が遠くなっていった。




――私は深い眠りにでもつくのだろうか。

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