【戦国BASARA】奥州に舞い降りたお馬鹿さん ＊三＊

。＋。第百七話。＋。　いってらっしゃいませ御主人様ァ♪← ページ16

貴女side





満月の件からしばらく経って、梅雨に突入した。

今日もまた雨が降り、何とも言えない匂いが私の鼻孔をくすぐる。

そして、今日は、政宗さん達が行ってしまう日でもあった。





『むぅあ・・・今日、皆行っちゃうんだって・・満月』


「きゅうぅ・・・」


『・・お見送りに行こっか』


「わん！」





私は部屋で満月をギュッと抱きしめると、パッと笑顔をつくって、立ち上がり、

二人で部屋を出て 皆の居る外に出た。









＊政宗side＊





「ハァ・・・」





出陣すると言うのに、鬱陶しいくらい雨が降っていて、俺は溜息をついた。


・・初めて、Aと何日か離れるんだな・・。


そんなことを思いながら、重々しく馬に乗った。





「・・小十郎。早く帰って来てやろうな・・」


「はっ・・」





雨のせいかtensionが低い俺ら。

きっと、雨だけのせいではなく、アイツが―――。


なんて考えてると、タッタッと こちらに駆けてくる音が聞こえ、振り返って見た。





『はァっ・・間にあった・・！！ま、政宗さん！』


「わぅん！！」


「満月・・A・・」





見ると、そこにはAと満月の姿があった。

Aは息を切らしながら ニコッと笑うと、腕を伸ばして何かをギュッと抱きしめる仕草をした。

・・何がしたいのか、よく解らない。流石奇想天外。





「A・・？何してんだ・・？」


『・・暫く みんなと一緒に居られないから、みんなを充電してるんです！！

・・な、なーんて・・』





照れながら へへっと笑ったAに 俺は、否、全員 ぐっときた。

俺はバッと馬から跳び降り、Aの目の前に立つと、彼女をギュッと抱きしめた。





『まっ、政宗さん・・？！』


「・・すぐ帰るから、それまで大人しくしてろよ？」


『ん、了解です・・』





俺が言うと、Aは照れながら笑って ギュッと抱き返してきた。

俺はスッと離れ、Aの頭をポンと撫でると、また馬に乗った。





「・・行ってくる」



『・・みんな揃って帰って来てくださいね？

・・いってらっしゃい・・！！！』



「・・OK！！ Are you ready？！」


全「Yaaaaaa！！！」


「・・フン、上等・・！！ 行くぜ！Ｈａ！！」





俺はフッと笑うと、馬を走らせ 出陣した。


城には もしもの時に何人かの兵を置いて行った。




――A・・すぐ帰ってやるからな・・・。

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