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第29話:突撃 ページ30

一方その頃。

朝支度を整え、自室にて試験勉強を始めようとしていた緑間は、言いようのない気分の悪さに襲われていた。

手には12位だった運勢を補正するラッキーアイテム、ピコピコハンマー。
それをもってしても、下位特有の「嫌な予感」を拭えないでいた。

占いによれば「邪魔が入って集中出来ない日。運勢には抵抗せず受け入れるが吉!」。
今日は自分以外は出払っており、邪魔など入らないはず……。

ピコ、とハンマーを意味もなく鳴らしながら、落ち着かないでいると。


ピンポン。


呼び鈴が鳴った。普段なら誰か他の者が出ることが多いが、この状況では仕方ない。
集中できそうもない今、少し気分転換になるだろうか、と玄関に向かう。


「今出るのだよ。

……はい」


「やぁ。真太郎。」


ガラガラガラ!


勢い良く閉めた。
反射的に閉めてしまった。

(……??……なぜ赤司が居る??)


考える前に動いたから、後から頭がハテナで埋め尽くされる。

いや突然の来訪にせよ、友人を締め出してしまったのはまずかったか、?
ドバっと出た冷や汗を止め、再び開ける前に落ち着こうと深呼吸をする。


「酷いじゃないか。友人に向かって」


遅かった。
締める直前に片足を引き戸に突っ込んでいたらしい。

抵抗なくするすると戸が引かれる。


「改めておはよう。
遊びに、いや、勉強しに来たよ。」


ひらりと手を振る赤司の後ろには、キセキの面々。
こいつ人を巻き込んで大勢連れてきやがったのだよ。
しかも事前に知らせず、他人の家に。

一番後ろには申し訳なさそうな顔の水織までいる。
どうなっているのだよ……。

嫌な予感は良く当たる。
おは朝によれば今日はそれに逆らってはならないのだが。


「なぜ俺の家で」


「広いから。図書館では他の利用者の迷惑になるだろう?」


答えになってない。お前の家の方が広いだろう。
こうなったらもう誰にも止められないのだ。
はぁ、と溜息をつき、俺の家でも騒ぐなよ、と念を押す。


次々と入ってくる面子に、「勝手に物を触るな」「できるだけ動くな」と注意しておく……おい。
言われた側からはしゃぐな!

「わー広いっスねぇ!」と走り出そうとした黄瀬をとっ捕まえる。


なんなのだよ!

「緑間さんも大変ですね、」と複雑な顔で入った水織を最後に、漸く扉を閉める。

まったくだ。


この最悪なイベント以上に悪いことはおこらないはず。
自分に言い聞かせ、リビングにひとまず一行を案内する緑間であった。

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作者名:Mae | 作成日時:2020年10月22日 16時

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