第18話：記録 ページ19
私達が扉を開けると、タイミングよくビビーーと電子掲示板が鳴り、選手達がコートに集まっていた。
「あ！ちょうどミニゲーム始めるところみたいだよ。スコアの付け方教えるから一緒に見よう！」
そう言ってスコアボードの方に走るさつきちゃんについて行く。
「ここに、誰が何点決めたか正の字で書いていって……、そうそう！」
なるほど、ルールはわかっていても記録するという観点で見るとスコアを付けながら観戦するのは難しい。
さつきちゃんはこれを昔からやってたんだな……。
「今のは青峰君が2点入れたから……、次はきーちゃんのスローインからね。多分そろそろミドリンが決めるから、3点の場合はこう……、あ、ほら入った！」
教え方が上手なのもあるけど、それ以上に彼女が言う通りに進んでいくのが凄い。予言しているみたい。
渾名は独特なんだけど。
「ミニゲームだし、みんなの事はよく知ってるからね！外から見てる分にはなんとなく分かるけど、本当の試合だともう少し難しいんだよね、」
照れながら、少しだけ嬉しそうに言う。
「あ、今日はなんとなく赤司君テツ君ミドリンの3人が調子良さそう。」
「そんなことまでわかるんですか？」
「ふふっ。今日はAちゃんが見てるからかなー？」
あはは。そんなばかな。
彼女が言う3人を目で追ってみるけど、すごく上手なんだろうな、ということしかわからない。
軽く動いてるように見えるのに、ボールが意志を持ってるように見えるくらい速いのだ。
さすが強豪のレギュラーと言うべきか、この迫力に慣れるにはもう少し時間がかかりそう……。
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作者名：Mae | 作成日時：2020年10月22日 16時
