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第13話:紹介 ページ14

「A?どうしたの。
開けるよ」


「あっ」


一瞬思考してる間に、反対側にいる赤司さんに開けられてしまった。

日も暮れて薄暗い渡り廊下にいたから、照明が煌々と光る体育館が眩しくて目を細める。

赤司さんに手を引かれて集合の中心に進む。

う……こ、怖い……。
視線が上から降ってくるのがわかる。
みんな大きい……大きすぎる……!
多分その気は無いんだろうけど、体躯ゆえの威圧感が凄い。

本当に今私が囲まれているのは中学生の集団?
体感私の倍ある気がする。


「紹介するよ。
2年3組、水織 A。帰宅部、だった。」


「「えっ」」


「え?」


巨人集団の中から、ふたり分の驚いた声が上がった。声のした方を辿ると、


「A!」「水織か、」


「なんだ。知り合いだったのか?」


「テツくん。……緑間さん!」


見知った顔が2人。
そうか、バスケ部レギュラーだ。


「俺は同じクラスだ。ミドリマとミオリ、で隣席なのだよ」


かちゃりと眼鏡を押し上げながら、緑間さんが口を開く。
私のクラスは席替えしないで出席番号順に並んだままなので、4月からずっとお隣さんなのである。

私が喋る数少ない男子のひとり。多分、両方とも生真面目というか、なんとなく通じる部分があって、仲はと聞かれたら、比較的いいのだと思う。


「ああ、確かに。なるほどな。」


「ん?てことは俺とも同じクラスじゃねーか」


「オマエは何を言っているのだよ青峰。いい加減にクラスメートくらい覚えろ」


緑間さんにぽこりとはたかれ、悪びれなく逆ギレする青峰さん。
いやそれはそうなのだけど、実際喋ったことは無いし、私からは知っていれどもお喋りなタイプでもない青峰さんに認知されていなくても仕方ないというか……私も目立たないし。


「テツヤは?」


「あ、ボクは。」


ひょっこりと青峰さんの脇から顔を出すテツくん。
「おわ後ろにいたんかい!びっくりした!」と驚かれている。


「ボクとAは幼馴染みです。家が近くて。」


「そうか、それは知らなかったがちょうどいいな。Aも心強いだろう。
練習中だから今は詳しく紹介しないが、追々部員の名前と顔は覚えていってくれ。
ともかく今日からマネージャーとして入部だ、よろしく頼むよ。

ーー桃井」


はぁい、と桃色の髪をした女の子が手を挙げている。
たた、と駆け寄ってくる。

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作者名:Mae | 作成日時:2020年10月22日 16時

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