104.泣かないで ページ22
「にしても安吾……
えらい
内務省異能特務課オフィス。
和服姿でどっかりと椅子に座った種田長官は、
右手で持った扇子を左手でパシパシ叩きながら呟いた。
『私の背後の注意が足りてなかったためにこんなことになってしまい……
ほんっとうにすいませんでした!!』
元々、手を繋いで並んで立っていたはずの安吾さんは、手は繋いだままに、いつの間にか私の背後へ周り、私の足にしがみついている。
怖いのかもしれないが、先程から名前が呼ばれる度にスカートを掴んだ手がビクッと跳ねる。
…………全然会話の流れと関係無いけど、私膝より上のフレアスカートに薄いタイツだから、この体勢はだいぶくすぐったい…………
「いやいや、怒っとうわけちゃうねん。
Aちゃんはようやってくれたで。あんたんとこの社長からも連絡はもろてたけどなぁ。」
いやはや、そんなまさか………と頭を振る。
「まあ、残っとう仕事も、
じゃあAちゃん、安吾の事頼んだで。」
『は、はい!!!!』
え〜思ったよりあっさり〜
いいの?これでほんまええの?
大きな声で一頻り笑った長官は、座っていた高そうな執務椅子から立ち上がり、大股で此方に歩いてきた。
「安吾、Aちゃんの言うことよう聞いて、はよ大人なるんやで。」
私の横にしゃがみこみ、安吾さんの頭を撫でる。
「ぴゃ!はぃっ!Σ(×_×;)!」
種田長官の大きな手で頭を撫でられた安吾さんは、小さな声の返事と共に光の速さで私の正面のスカートに顔を押し付けたまま動かなくなってしまった。
『ありゃりゃ』
「そない怖がらんでもええやろ………」
『あ、あは、あははは……』
失礼の無いように、自然な動きで安吾さんを抱き上げ、私史上、最高にスマートな動きで退室した。
種田長官の部屋から出て数分。
抱き上げた安吾さんはその状態のまま、ピクリとも動かない。
『安吾さん?』
「…ふぇ……A………」
ええええぇ泣いてる!!???
『どぅええぇどうしたんですか!!?
え!?怖かった??怖かったんですか!!??』
「ヴン……。」
小さく頷きながら真っ赤に染まった瞳からポロポロと涙が溢れる。
『もう大丈夫ですからね〜!!
お昼ご飯食べに行きましょうね〜!!』
おっかなびっくり抱き直すと、子どもとは思えないほどの力でしがみついてくる。
すいませんっ種田長官!!
なんか長官が悪者みたいになっちゃいました!!!!
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あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» 今年の四月馬鹿はがっつり被ってましたね〜(笑)私も文マヨ開いて驚きました!!ちょっと書いては保存して……のスーパー亀更新なんですが、いつも見てくださってありがとうございます!! (2018年4月22日 15時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - ヤバいです!!更新するたびちび安吾可愛すぎます!!公式のが出てるのでなお想像がしやすくなりましたね!! (2018年4月22日 0時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» わ〜!!ありがとうございます!!頑張ります!!いつも応援コメントありがとうございます!!これからもどうぞよろしくお願いいたします!! (2018年4月8日 19時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - 受験生なんですか!!勉強が大変ですね。更新はゆっくり待ってますので無理をしないで頑張って下さい!! (2018年4月8日 18時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 結城憂樹さん» ありがとうございます!!ほんっとに、こういうコメント凄い嬉しいです!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2018年4月8日 18時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あねもね | 作成日時:2018年3月8日 18時