105.時の流れは早く ページ23
時の流れは早いもので、不慮の事故(?)で安吾さんが四歳児になってからというもの、既に三日目が終わろうとしていた。
私が探偵社で事務作業をしている間も安吾さんは…
「A、おかし、たべる?」
「Aとあそぶ!!」
かっわいすっぎっる〜!!
ぷくぷくとした白くて丸いほっべは薄い桃色に染まり、唇は濃い紅色に色付き、細い髪は手櫛ですくとサラサラとこぼれ落ちる。
そして……膝に乗せると暖かい……。
柔らかい身体は自然な重さが心地好く身体に響き、とてつもない癒し効果だ。
このままでは私はトキメキが致死量に達して早々に死んでしまうかもしれない。
安吾さんには早く大人に戻って貰わねば。
更に、私には早く戻って貰いたい理由がもうひとつあった。
明日は月曜日。
世間ではサザ○さん症候群やブルー・マンデー等と言われ、週のはじまりであることから忌み嫌われる月曜日だが、そう言う私も御多分に洩れず月曜日と聞くだけで目眩がする。
この土日の業務では安吾さんのために探偵社での事務作業を多めに回して貰っていたが、学校となるとそうは行かない。
幼い安吾さんを連れていく訳には行かず彼には申し訳無いが探偵社でお留守番をしていてもらわなくてはならない。
夕食後、食器を洗い終わり、部屋で一人遊ぶ安吾さんを見る。
何と言おうか………
四歳の安吾さんが、寂しい思いをしないように……
…………断じて、私が寂しい訳ではない!!!!
『安吾さん。少し宜しいですか。』
高校生が四歳児に向かって敬語で話すと言うのは、端から見ると随分とシュールだ。
今日も何度か笑われてしまったが、仕方ない。
どんな姿でも安吾さんは私の上司なんだから。
畳に座って呼び掛けると、トテトテッと駆け寄ってくるので、両手を拡げて抱き留める。
可愛すぎか!!今に始まった話ではないが!!
『安吾さん。
私は明日学校に行かないといけないんですよ。』
「はいっ」
『安吾さんは私の学校には来ることが出来ない
んですよ。』
「はいっ」
元気いっぱいの返事が帰ってくると同時に、小さな紅葉型の掌が舞い、私の髪や頬をペタペタと弄る。
『なので、探偵社でお留守番をしていただいてもよろしいでしょうか?』
「はいっ……………?」
ゆっくりと首が傾く。うん???
「……………わかった」
先程とは一転した暗い声が帰ってくる。
私の膝の上に座り込んだまま、下を向いて動かなくなるため、どんな表情か全く分からない。
『大丈夫ですか?』
「……………だいじょうぶ。」
大丈夫だろうか……………
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あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» 今年の四月馬鹿はがっつり被ってましたね〜(笑)私も文マヨ開いて驚きました!!ちょっと書いては保存して……のスーパー亀更新なんですが、いつも見てくださってありがとうございます!! (2018年4月22日 15時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - ヤバいです!!更新するたびちび安吾可愛すぎます!!公式のが出てるのでなお想像がしやすくなりましたね!! (2018年4月22日 0時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 莉玖梠さん» わ〜!!ありがとうございます!!頑張ります!!いつも応援コメントありがとうございます!!これからもどうぞよろしくお願いいたします!! (2018年4月8日 19時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
莉玖梠(プロフ) - 受験生なんですか!!勉強が大変ですね。更新はゆっくり待ってますので無理をしないで頑張って下さい!! (2018年4月8日 18時) (レス) id: a35683e8e9 (このIDを非表示/違反報告)
あねもね(プロフ) - 結城憂樹さん» ありがとうございます!!ほんっとに、こういうコメント凄い嬉しいです!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2018年4月8日 18時) (レス) id: 57ead714e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あねもね | 作成日時:2018年3月8日 18時