検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,276 hit

3話  犬を拾いました。 ページ4

『あ、あのっ、大丈夫…ですか?』

私は段ボールの前まで行って、その場でかがんで声をかけた。

「うぅ…。」

その男の人は涙目のまま顔だけをあげてから、安心したのか、私に飛びついた。

『えぇ!?;あ、あのっ…』

「助けてほしんだ…。俺を君の家において…?ここはどこかも分かんない…。」

なんて泣きつかれてしまってはどうしようもない。

それに言ってることも詳しく聞きたいし…

『とりあえず、私の家に…どうぞ。』


*

「うぅ…すいません、ありがとうございます…」

さっきとは違って、少し落ち着いたらしい。

今は私が今朝食べた残りのスープを美味しそうに食べてくれている。

『あ、寒くないですか…?』

「うん。大丈夫です。」

えっと何か色々聞かなきゃな。

あと、今日は部活に行かないっと。

こんなことになったら行けないよね。

『えっと、私は桐島Aです。適当に呼んでくれればいいです、あなたは…?』

「あ、俺は一十木音也!助けてくれてありがとう!えっと、Aでいいかな、宜しく!」

一十木音也くんっていうのか。

『はい、なんでも大丈夫です。それで、音也くん、家とかは…?』

急にしょぼーんとした顔で、

「それが分からないんだ…。ここの場所も見たことがなくて…。

最後に覚えてるのは那月が、友達がクッキーをくれたんだけど…。それから何も覚えて無くて…。」

『そうなんですか…。それはいつですか?』

「本当に最近だと思うよ。昨日のことのように覚えてるもん…。」

それは困ったなぁ…深く聞くこともあんまり良くないと思うし…。

んー仕方ない。

『えっと、音也くん。』

「なに?音也でいいよ。」

『分かった、音也。私の家で良ければ、帰る方法が見つかるまで、ここに居ていいよ。』

「えっ、いいの!?」

『そりゃあ、困ってるからね;いいよ?』

「やったあー!ありがとう、A!!」

今更だけど、さらっと名前呼びは恥ずかしいなぁ…//

そんなこと考えてたらいつの間にか音也が近くに。

「えへへ、ありがとう!」なんて言って抱きついてきたから、不覚にも可愛いなんて思っちゃった。

こんなの可愛い飼い犬みたいじゃないか。


今日、犬を拾いました。

4話 驚き→←2話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.8/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なっちー☆ - 更新頑張ってください!応援してます! (2016年10月18日 23時) (レス) id: 34d9e994ef (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おとてら* | 作成日時:2016年8月20日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。