おとなりさんのそらるさん。【歌 い 手】

おとなりさんその19 ページ21

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「え、えっとこう…でいいんだよね？」

　
もちろん答えてくれる人はいないんだけど。
渉達が選んでくれたワンピースたちを身に着けて、ゆるくメイクをして髪をセットする。
待ち合わせ…って言っても、そらるさんが呼びに来る時間まではあと30分くらいある。

　
「…こんな服初めて着たなぁ。」

　
姿見に映った自分を見て、思わずそう呟いた。
天ちゃんが選んでくれた、薄いパステルカラーの水色に花柄の刺繍が入っているワンピースに
紺色のロング丈のカーディガン、渉が選んでくれたのは白に銀のチェーンがついてる鞄に
歩きやすいようにヒールがほとんどないパンプスだ。
この靴だけは靴擦れ起こさないように、あらかじめ使っているが…他は初めてで、その。

　
「似合ってんの？これ……」

　
ピーンポーン

　
「うえっ！？そらるさんもう来た？」

　
時計を見ると、時間は待ち合わせ10分前。
慌てて玄関を開ければ、申し訳なさそうな顔をしたそらるさんがいた。

　
「ごめん、早かったよね…？」

「大丈夫ですよー、私も準備終わって時間待ってたところですから。」

「そっか、それならよかった。」

　
そう言って微笑むそらるさん。
ダボっとした黒のニットに、細身のジーンズがよくお似合いです。
変装の為か、黒縁メガネにマスクをつけて…あ。


　
「私も変装した方がよかったのかな…男装？」

「なんでよ、大丈夫だよ。俺も念の為だから。」

「そうですか？」

「あ…でも、そらるさんはやめてね？」

「分かってますよー、えっと…一ノ瀬さん？」

「えー、やだなそれ。皆みたいに名前で呼んで？」

　
そう言って微笑むそらるさん…違う、一ノ瀬さん…じゃなかった。

　
「…彼方さん？」

「そ。んじゃいこっか。」

「はーい」

　
まだ午前中、彼方さんとマンションを後にして駅へと向かう。
行きながら聞いたところ、こっから1時間ちょっとかかる場所らしい。

　
「そうだ。」

「はい？」

「実はさ、まふまふに勝ちまくってたらAのことバレて。」

「あらま。でも勝てたんですね！」

「うん、それはAのおかげで。それでまふまふもバトルしたいって言いだして…」

「うんうん。」

「せっかくだから、nqrseとかセンラさん誘ってみんなでバトル大会でもって。」

「すごい楽しそう…ぜひ！」

　
バトル大会かぁ、楽しみだなぁ。
まふまふさんとも戦ってみたいし……センラ、鍛えてあげないと。

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