おとなりさんのAfter Day’s【歌 い 手】

そらる×実況動画〜朱桜よろん様リクエスト〜 ページ5

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「絶対無理です！」

「大丈夫だって…」

「いいですかそらるさん、私はしがない絵師なんですよ？」

「どこがしがないんだよ…」

　
俺達相手にイラスト描いてるのに、しがないわけないんだけど。
それでも必死の抵抗を見せる彼女に、どうしたものかと頭を悩ませる。
…事の発端は、こないだまふまふやnqrse、センラ君とやったポケモンバトル配信だ。
そこで、センラ君が異様に強くなったのをみてまふまふがポロっと水藻の名前を出した。
そこから、水藻と誰かとのバトル配信を見たいというコメントが…で、今。


　
「大丈夫だって、ね？」

「いや、やり方わからないですし…」

「俺が教えるよ。」

「でも……っ」

　
こうなったら強硬手段と言わんばかりに彼女を抱きしめてその耳に口を寄せる。
…おそらくだけど、彼女がここまで拒否している理由はこれだろう。

　
「…投稿して、炎上したら俺に迷惑かかるって？」

「…っ。」

「そんなの気にしなくていいのに。」

「ダメ、ですよ…」


それでも抵抗を見せる彼女に、抱きしめる力を少しだけ強くした。
全然気にしなくていいのに、全部俺が守ってあげるんだから。
　

「Aは、俺が守るし。俺がやりたいからいいの。」

「彼方さん…」

「だからさ、俺のわがまま聞いて？」

「…。」

　
そう言えば、諦めたように目を閉じた彼女にキスを落とす。
びっくりしたように見開いた眼には、さっきとは違う輝きが浮かんでいた。

　
「ちょ…！？」

「ん？」

「不意打ちは卑怯ですよ…？」

「いいじゃんいいじゃん。ほら、やろ。」

「早速！？」

　
手加減禁止だからね、そう言ってそそくさと準備をする。
背中でそんなことしません！という声を受けて、笑みがこぼれた…それでいいんだよA。
そして、始まったバトルを何戦か録画し、1番拮抗しているものを編集して完成だ。


　
「はい、これあと投稿するだけだよ。」

「ホントに…いいんですか？」

「いーの、俺のリスナーからの希望でもあるし、俺もやりたいし。」

　
またまふまふにずるいって言われそうだけど、なんて言えば彼女は初めを思い出したように笑った。
投稿文を一緒に考えて、Youtubeに投稿するまで…ボタン一つ。

　
「A、マウスに手おいてよ。」

「え、あ…はい。」

「ん、投稿するよー」

　
マウスに置かれた彼女の手を上から包み込んで投稿ボタンを押す。
この後、まふまふから恐ろしいほど電話がかかってきたのは…言うまでもない。

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