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青々とした葉が桜の枝を埋める。
窓から入る小風はAの頬を撫でた。



半年前 家で倒れてからずっと入院している
Aはいつ退院出来るかも分からない。
毎日自分の体が弱っていくのを感じながら
志麻が見舞いに来るのを待つ。

いつ来るかは分からない。
仕事前に顔を出したり
昼休憩だったり帰り道に寄ってきたり。
いつ来るかを予想しながら1日を過ごす。
時間は決まっていないが志麻は
毎日病室に顔を出す。

「今日も来たぞ〜」

と目を細め手を振る。
Aが入院してから1度も
来なかった日は無かった。



テレビ台の棚から志麻との写真を
取り出したAは長いまつ毛を伏せ
小さく息を吐いた。
木製のフレームをそっと撫でる。
大坂でしたライブに着いて行った時の写真
浦島坂田船の中にAも混ざり夕飯を食べていた時
坂田がiPhoneで撮ったものだ。


「志麻くんもAも、もっと寄れって」

「今食べとるやろ」

「写真撮らなくていいって坂田くん!」


嫌がる2人の言葉を無視して
指はシャッターを切っていた。
当たり前のような空間で
普通に笑い、普通に楽しんでいたのも
もう気づけば半年前だった。



Aは入院してから気づいたことがある。
当たり前がどんなに幸せだったか。

今まで沢山の人に
『当たり前を大切に』や
『失って気づく物の方が多い』
など言われたがどれも右から左へ流れていっていた。

幸せは幸せな時には気づかない。

それがどれだけ辛いことかを。

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遊星(ゆうせい)(プロフ) - 怠惰少女さん» その日私が感じて後悔した事、皆さんが1度は体験した事があるような後悔を大泣きしながら書きました。 聞きに行って下さったのですね。少しでも心に響いて下さったなら私はとても嬉しいです;; ありがとうございます。 (2017年5月6日 2時) (レス) id: d42799d76c (このIDを非表示/違反報告)
怠惰少女(プロフ) - 大泣きしました。途中、しわの歌詞が入るところで、1度閉じて、私も聞きにいって、そこで泣いたのもあるんですけど。だいすきと呟いた所で、涙腺が完全に崩壊して、朝から大泣きしました。 (2017年5月5日 7時) (レス) id: 3b0ab35ee3 (このIDを非表示/違反報告)
Aoやん@サブ垢*(プロフ) - やっぱり遊星さんの世界が大好きです。いつも素晴らしい作品をありがとうございます!!! (2017年4月27日 15時) (レス) id: 0a41cafc45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遊星
作成日時:2017年4月25日 2時

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