音と風の物語【Ｊuｎ.Ｍ】 (ページ6)

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＃６．自信なんてないページ6

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指定されたスタジオに着いたものの、

はじめての場所にはいつも緊張しちゃう。

入口の前で入っていいものか
どうしたもんか

おどおどしてたら。

頭をポンっ、と大きな掌が包む。

『あっ、せんぱ、、』

振り返って見上げたら

そこには大塚先輩が立ってた。

「くくっ、どんだけ挙動不審(笑)」

いくぞって、入口をすすみ
奥のエレベーターに乗り込む。

「わりぃな、ラッパの奴が体調崩しちゃってさ。
どうしても今日の録音飛ばせなかったのよ。

よかった、Aを捕まえられて。」

どんどんのぼる液晶を見ながら
先輩は言った。

『と、とりあえず来ちゃいましたけど
私、こういうの初めてで、、、自信ないですよ？』

足を引っ張らないかな

変わりとはいえ大事な仕事なのに

私はまだ曲を掴んでもいない。

「大丈夫。Aの思うままに吹いてくれたら。

お前の音なら誰も文句言わねぇよ。」

言い終わると同時に開いた扉に

先輩は足を踏み出す。

そうは言われても。。。
初めてだし
ほとんど曲もつかめてないのに。

自信なんてないよ、、、

そんな先輩の背中を追いかけて
慌てて私も降りた。

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