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結弦Side
さて、今日は忘れがたい日、東日本大震災の日だ。
俺は、友人や知人のお墓参りに回った。
せめて、このくらいのことはしたいと。
そんなとき、見たことがあるような人がいた。
(人2)「お母さん…お父さん…(人2)だよ。」
結弦「((人2)ちゃん!?)」
俺は気づかれないようにこっそり木の影に隠れた
(人2)「あれから、何年だろうね…。わたしは相変わらずスケートは続けてるよ…続けてもいいのかな?」
結弦「…」
(人2)「なんで3月に大会なんてあるんだろうね…もしお母さんとお父さんが生きていたら…私の活躍を見てなんて言うのかな。でも、わたしからスケートを取ったら何もない、ただの女の子になってしまう。」
結弦「…」
(人2)「でも、この時期になるといつも思うんだ…自分だけスケートをやってていのかって…そんなことより社会に貢献したほうがいいんじゃないかって。何をやったら正しいのかわからないの。スケートをやめようか、続けてもいいのか。楽しいのかもわからない。お母さんとお父さんが死んでから何もかも空っぽ。お母さん…お父さん…戻ってきてよ…わたし、ここにいるよ?」
結弦「っ、、」
俺は、胸が苦しくなって、その場から離れた。
こういうことだったんだ…生きてる意味がないって言ったのは…それなのに俺は。
何もわかってないのに、わかったふりをして…
俺は、(人2)ちゃんにどうしたら力になってあげられるのだろう。
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作者名:いつみ | 作成日時:2019年7月9日 10時