弐拾漆 ページ28
「宇髄さん、誤解です。誤解なんです。」
「んな状況見て誤解で済むと思うか?
どっからどうみても恋仲にしか見えねえよ!」
私だってできることなら、時透くんの特別な人になりたい。
「仕方がないんですよ!あとあんまり叫んだら時透くん起きるので静かにして下さい!」
と、小声で話す。
「やっぱお前時透のことしか考えてねえんだなあ。」
「当たり前ですよ。」
真顔で即答する。
派手柱さんの目から引いていることがわかる。貴方にだけは引かれなくないです。
私はいたって真剣ですが。
「って、俺はお前らがイチャコラしてるとこ見に来たわけじゃねえんだよ。」
思い出したように宇髄さんが言う。
「じゃあ何しに来たんです?」
私の上にいる時透くんを横に寝かせ、私も起き上がって伸びをする。
「祭の神直々に、臨時柱合会議に呼びに来てやった。天泣、お前も来い。」
私も?私甲なんですけど。
…祭の神…?については触れないことにした。
「お前、鬼を連れた隊士と、なんか関係あるんだろ?だから今日の柱合会議には出席してもらう。はやく時透起こして行くぞ。呼びに来てやったんだから感謝しろよ。」
え、もしかして禰豆子ちゃんなにかやらかした?
いや、彼女に限ってそれはないはず。
あ、なんで名前知ってるのか、って?
竈門くんとの文通でいろいろ教えてもらったの!
大方、他の柱の方にねずこちゃんの存在がバレて問題になった、というところだろうか。
それ以外の心当たりは全く無いもの!!!
「…お前人の話聞いてんのかよ!?」
「何がですか?」
「お前…!」
と宇髄さんと言い争っていると、私の隣で横になっていた時透くんが目を覚ました。
「とてもうるさい。君たち静かにできないの?
僕が思っていたよりも頭が悪いみたいだね。宇髄さん。」
「なんで俺なんだよ!あとコイツと一緒にするな!」
今うるさいと言われたばかりなのにさらに大きな声で騒ぐ派手柱さん。
「…」
「ふふっ、いやまあ、私の取り柄は頭脳明晰ですから!私だって宇髄さんとは一緒にされたくないです。」
というと、宇髄さんはこちらを睨んでくる。
しかし私には聞かぬ。なぜなら蜜璃ちゃんと会うたびに蛇柱の視線(いや死線のほうがいいのでは)を受けているからだ。
「…」
「っていうかなに涼しい顔して起きてるの時透くん!」
「…何が?」
という時透くんは、本当に先程のことを覚えていなさそうな表情だ。
「お前、さっき天泣のこと押し倒してたぞ。」
「…」
「…」
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時