弐拾肆 ページ25
「え、今から時透くんの屋敷行くの?」
「うん」
何当たり前のこと聞いてるの、とでもいいだしそうな顔でそう言う時透くん。え、私時透くんの御屋敷行けるの?今から?
「ほら、はやく行くよ。」
時透くんのすらりと細く、長い指が私の手首に巻き付く。
顔が蒸発しそう…
私は頭が混乱したまま時透くんの後について行き、(引きずられ、の方が正しいかもしれない。)時透くんの御屋敷に到着した。
「………ひっっっろ…」
「着いて第一声がそれ?」
「素直な感想ですが。」
なんていう茶番(日課)も済ませ、とうとう御屋敷の敷居を跨ぐ。
「お、お邪魔します…」
「緊張し過ぎじゃない?」
と言って、時透くんが急に顔を覗き込んでくるものだから、本当に息の根が止まったかと思った。
…だって、時透くんの御屋敷だよ!?大好きでたまらない時透くんの御屋敷だよ!?緊張するじゃん…
…だから変態気質なのは承知済みだってばよ。
「あ、台所こっちだから。じゃあ、よろしく。」
「しょ、承知しました…」
まずは食材の有無を確認してみることにした。
あれ、意外とあるじゃん。なんか時透くん、下手したら何も食べてなさそうで怖かったけど、安心した。
そして無事、大根を発見。
皮を向くための包丁を取ろうと後ろを振り返ると、
美 少 年 。
…いや、本当に距離近いって!
距離感どうなってるの時透くん!?
「な、なななにしてるの時透くん!?」
「今頃気が付いたの?見てただけなんだけど。なにか問題でもあるの?」
「も、問題というか、緊張するから…」
「…そ。じゃああっちいるから。出来たら直に呼んでね。」
私の返事も聞かずに向こうへ行ってしまった時透くん。
直に、だってよ。そんなに楽しみにしてくれてるのかな。
えへへへへへ。
…だ、か、ら、変態気質なのは承知済みだってばよ?
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美雨音トウカ - ふゆさん» 申し訳ありません!!教えて下さって本当にありがとうございます…!へなちょこ作者で申し訳ないです。そして何度か読んでいただけてるだなんて、もう胸が嬉しさでいっぱいです…!本当にありがとうございます! (5月6日 9時) (レス) id: 212377e0a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 初コメント失礼します。とても素敵な作品で何度か読ませていただいています。ただ参拾弐が抜けているのでもし非公開にしてるなら公開お願いします🙇♀️ (5月3日 19時) (レス) @page33 id: 2415585283 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨音トウカ | 作成日時:2024年2月28日 23時