【あんスタ】オタクですが何か？〜３〜

オタク度 １１０％ ページ10

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今日のAは、いつもと違いスマホゲームをしてない。



数枚の紙や資料を何回も見ては伏せ、見ては伏せを繰り返していた。



気になった俺は、世界史のノートの回収のついでと思って彼女に近付いた。



「Aー、世界史のノートあるか？」



「あ、そっか。ゴメン衣更。ちょっと待ってて」



少し慌てた様子で、机の中の教科書とかを少し出してノートを探し出す。



その間に、俺はAが見ていた紙や資料に目を通した。



(はっ、嘘だろ！？あのドリームプロダクションの資料じゃねーか！)



ドリームプロダクションは、アイドルを目指している俺たちにとっては憧れの存在。



所属を希望する人が多すぎるせいで、入れるのは本当に選ばれた者だけ。



それ故に、スカウトされるという事は、相当な才能があるという証明になる。



「な、なぁA！お前、ドリームプロダクションにスカウトされたのか！？」



「うん、たった昨日来た。でも、入る気ないから、今日また交渉に来るって」



興味なさげに言ったAは、俺に世界史のノートを渡すと、その資料を直し、ポケットからスマホを取り出した。



(いいなー、A)



俺はAが、ただ単に羨ましかった。

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