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未読スルーを始めて5日目
1日に数回しか返さないので、どんどん溜まっていくメッセージに自然とため息が漏れる
あれから段々メッセージの内容がエスカレートしていっている気がするのだ
最初は飲み会の席にたまたまいた美人さん
だけど段々特定の女の人が必ずいる写真が送られるようになってきて、今日なんて2人のツーショットが数枚の写真の中に紛れていた
ここ最近私と五条さんはお互いに忙しく、会っても二言三言交わす程度だというのに
黒い感情を抱えながら、それでも何も言えずにいるのは私が五条さんに負い目を感じているから
終いにはこの1ヶ月間の幸せは夢だったのではないかとさえ思えてきていた
そんな時に
五条さんねえ、最近話せてないよね
五条さん僕久々に君に会いたくなったから次の金曜の夜君の家に会いに行ってもいい?
Aわかりました、あけておきますね
やっぱり夢じゃなかった
あのデート以来謎の女性の件もあるけれど、たくさんメッセージをくれていたし、やはり私は五条さんの彼女だったんだ
良かった、勘違いじゃなかった
今まであんなに暗い考えに囚われていたのが嘘のように、彼の甘い一言で私の心は舞い上がった
夜ということはきっと任務帰りで疲れているのに私に時間を割いてくれるということだろう
これは彼女として五条さんを癒やすのが務めなのではないだろうか
どこかの記事にそう書いてあった気がする
実のところ私は、男性ときちんとお付き合いをするのは学生の時以来でこういった事に全く経験も免疫も無い
だが料理は一人暮らしである程度自信がついているので、五条さんに得意のクリームシチューを振る舞おう
うん、きっとそれが良い
それならば五条さんの口に合う食材を揃えなくてはと、私は近所の少しお高めのスーパーへと向かった
そう、私は夢を見ていた
憧れの五条さんと付き合えて
毎日連絡を取り合って
週末の彼の仕事疲れを癒やすためにクリームシチューを作っている彼女
どうやらそれらは全て、私の妄想であり妄言だったようだ
シャワー音に紛れて鼻歌が鳴り響く
今、私の目の前の見慣れないスマホには
みな今日は二人きりでお会いできて嬉しかったです
みな今度会うときは一晩中私を愛して下さいね!
みな待ってます
見慣れないスマホには見慣れない名前からの♡つきメッセージが3件
ただ1つ違うところ、私はこのアイコンに写る女性を知っていた
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作者名:ナノ | 作成日時:2021年4月21日 23時