【うたプリ】StocK (ページ8)

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花 6 ページ8

Aside

恋羽が金髪の子に抱きついている。恋羽の悪いクセだ。可愛いものを見るとすぐに抱きつく。

仕方ない、止めに行くか。

？「え～……ホントに俺が行くの？」

ふと気になって声のする方を見る。扉を開けた時に「来た」と言っていた赤髪の男の人がチラチラこちらを見ていた。

？「わ、分かった。行ってくる！」

意を決したのか小走りでこちらに近づいてきた。

？「えっと……こんばんは。俺、一十木音也。よろしくね」

半ば苦笑いを浮かべる。話しかけたくないなら話しかけなきゃいいのに。

A「こんばんは。それで、何か用か？」

音「用はないんだけど………何だか気になって。それでトキヤにそう言ったら、あっ！トキヤっていうのはあっちにいる背の高い藍色の髪をした人で……。で、トキヤに『なら話しかけたらどうですか？』って言われたんだ」

A「嫌がってなかったか？」

俺が行くの？とか聞こえたが。

音「ううん！嫌だった訳じゃないよ！でも、あまり俺達と話したくなさそうだったから…」

驚いた。話したくないのを見抜かれていたとは。話しかけられた時からはっちゃけてるオーラを感じたから人の感情に疎いと思っていた。人は見かけによらないな。

A「確かに。私は無駄が嫌いだからな。でも今話すのは無駄じゃない。質問したいことがいくつかある」

音「えっ、質問！？俺よりトキヤ達の方が答えられると思うよ！こっち来て！」

A「えっ、ちょっ………！」

手を取られ、トキヤという人がいる所に引っ張られる。

音「トキヤー！」

？「何ですか？近いんですから叫ばなくても聞こえますよ。で、どうしたんです？おや、結局連れてきたんですか」

トキヤという人はじっと私を見る。何となく気まずくて目を逸らした。

音「うん！あのね、何か質問があるみたいで……」

？「なるほど。それで私のところに。あぁ、自己紹介が遅れましたね。私は一ノ瀬トキヤ。貴女の名前は？」

A「神崎Aだ。早速だがいくつか質問がある」

それから、ここがどういうところなのかとか私達は何故連れて来られたのかとかたくさん聞いた。連れて来られた理由以外は一ノ瀬さんが教えてくれた。

音「連れて来られた理由は、もうそろそろ社長が来て教えてくれるんじゃないかな？」

そうだといいんだが。私はこんなところに妹たちと長居したくない。出来れば今すぐ帰りたい。

その時恋羽の歌声が聞こえた。