花 40 ページ42
ナギside
ずるい!恋羽ったら僕とのVTR撮影してから色んなドラマに出てる!この前偶然見たマフィアのドラマかっこよかったし!演技上手いし!でも素直に誉めるのはなんかムカつく!
あーもう何でこんな時に曲の打ち合わせしなきゃなの!?しかもずっと僕の方見てニコニコしてるし………。
帝「ほら早く案出してよ。これじゃあいつまで経っても終わらないじゃん」
恋羽「私、作詞とか作曲とかよく分かんないからな〜。すんごくダサくなっちゃうよ?」
ニコニコ顔のまま首をかしげられる。っていうか考える気ないでしょその態度!
帝「僕だって初めてだけど?まぁ僕は何でも出来るから案が下りてくればこんなの楽勝だよ」
恋羽「向かうとこ敵なしだね今日も可愛いよありがとう」
帝「何言ってんの?」
僕これ絶対上手くいかないと思うんだけど。
恋羽「そう言えば来栖くんが、どういう曲にしたいのか、何を伝えたいのか、テーマを先に決めておくといいって」
帝「……確かに」
翔ってたまに良いこと言うよね。テーマを決める……う〜ん……。
恋羽「はい!テーマなら『誉める』がいいな!」
帝「誉めるぅ?」
僕が眉を寄せると恋羽はうん!と頷いた。
恋羽「この前来栖くんにナデナデしてもらって、それがすごく嬉しくて頑張ろうって思えたから」
そう言う恋羽の顔は何だか幸せそうで、それが無性に気にくわなくて。何でよ、僕といるときより翔といるときの方が楽しいわけ?へぇそうなの。ふ〜ん。
なんかイラついたから僕は恋羽の頭を、ペットをよしよしと撫でる要領で撫でた。
恋羽「わっ!ちょっ、帝くん!?何!?」
帝「何って、こうすると頑張ろうって思うんでしょ?だったらいっぱい撫でてあげる。だから曲作り頑張って」
恋羽「わ、分かった!頑張るからっ!ナデナデ止めてぇぇ」
うぅ……となっている恋羽を見て、勝ったと思った。何に勝ったのか自分でも分からないけど。
今日は曲のテーマを『誉める』にして曲作りをしていこう、という方針だけ決めた。
心を支配するこの優越感………何なの……?
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作者名:観月るう | 作成日時:2017年11月29日 0時