花 39 ページ41
Aside
今日も音也と一緒に仕事だ。ロケではなくバライティの撮影だが。
今回は音也と私の頭の良さを計るためのテストをするところから始まり、二人で勉強し合いながら、次にやるテストでどれだけ学力が向上したかを競う撮影だ。
第一回目のテストの点数は
私:95
音也:34
A「………音也、さすがにこれは………」
音「い、言わないで……」
共用スペースの机の上に、先程の撮影でやったテストを置いた。国語や数学、科学や歴史まで一枚にまとめられているテストだ。確かに少し難しめだったけど音也の点数は低いと言わざるを得ない。
A「じゃあ、勉強始めようか」
音「お願いします」
二人の総合学力が最下位だと罰ゲームがあるらしいので怠っていられない。
30分ほど勉強して、今日はもう寝よう。夜も遅い。
A「まずは国語からか………」
苦手なのは、筆者の考えを述べよ。などの自分で考えていくところ。
A「これは、」
国語の問題はコツを覚えれば基本は出来る。前の文章を見ていけば大事なことは大体書いてあるから、見落とさないように読んでいく。
音「そういうこのか！Aすごいね！ありがとう」
パァァと煌めく音也は太陽のようだ。どうしてこんなにキラキラしているんだろう。
音「あ、じゃあこれも！？」
ぐいっと近づいた音也は間違えたところを直しては私を見てくる。ワンコに見えた私の目は正しいと思った。
A「音也は飲み込み早くて自分のものにするのが上手いです。音也はたくさんのセンスを持っていて羨ましい。これなら学力向上は私達が一位ですね」
音「そ、そうかな？Aもセンスの塊だと思うけど。でも嬉しい、ありがとう！」
この人といると、いつも胸が温かくなる。音也の一番のセンスは、人を笑顔にさせることだ。
音也のセンスが羨ましい。すごいと思うし、音也らしい、とも思う。
アイドルにとって笑顔は大事だ。歌やダンスだけでなく、笑顔の研究もしていこう。羨ましいの本心に気付けない私は、そういうことにした。
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作者名：観月るう
| 作成日時：2017年11月29日 0時
