花 37 ページ39
恋羽side
ナギくんとのVTRが放送されてからドラマ撮影が多くなった。VTRの後ナギくんに「まぁ？少しくらいは……すごいって思ったよ」って言われたし！来栖くんもすごいって言ってくれたし！私頑張る！
そしていよいよ今日………なんと！来栖くんと神宮寺さんのマフィアのドラマに出れちゃうんです！キャー！
と言っても私は来栖くん側マフィアの新人。そこまで重要じゃないけど、戦闘シーンがあるから楽しみなんだ〜！
監「んじゃ本番」
よぉし、頑張るぞい！
エキストラで敵の鈴木さんが殴りかかる。これを避けて、足でお腹に一発決めて、そしたらまたエキストラの田中さんが来るから銃で威嚇して、でも数回殴られて倒れつつ銃で撃つ。
私が映るシーンはここまでっと。いや〜全面戦争シーンはたくさんの戦闘が見られて楽しいね！
監「ん〜なんか違うんだよなぁ。もっとこう………どうしよ？」
完全オリジナル過ぎて監督さんもどうすればいいのか分かんなくなっちゃったのかな？
恋羽「よくある展開で言ったら第３勢力だよね、来栖くん」
翔「確かに。中立立場のミステリアス的な存在をよく聞くよな」
監「それだぁ！よし！第３勢力を作ろう！」
監督さんが大声で叫び台本を書き直す。
監「んじゃ恋羽が第３勢力で決定」
え、私！？何か本格的に参加する方針！？やったあ！
と言うことで来栖くんと神宮寺さんの戦闘シーンに銃で横やりを入れることになった。ごめんね2人共！戦いはお預けだよ！
クライマックス。来栖くんと神宮寺さんがバトるその瞬間、私は銃で2人の間を撃つ。
翔「誰だ！」
カメラが私の唇を映す。弧を描いた私はそのままその戦場をあとにした。
翔「かっけぇ役取りやがったなぁ」
恋羽「んふふ♪格好いい！？」
休憩時間、来栖くんが隣でそう言った。
翔「ああ。お前やっぱり演技上手いな」
来栖くんがまた誉めてくれた！他の人に誉められるより、何倍も幸せに感じる。
翔「頑張れよ」
ポンポンと私の頭を撫でて来栖くんは撮影を再開した。
うん。来栖くん、私頑張るよ。せっかく来栖くんと同じドラマに出られたんだから。みっともない姿を見せたくない。まだまだ新人だけど頑張るから。ちゃんと見ててね。
決意を新たに私も立ち上がった。
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作者名：観月るう
| 作成日時：2017年11月29日 0時
