花 33 ページ35
Aside
今回の新人ばかりを集めた撮影のノルマは終了した。早く終わって時間が余ってるそうなので鳳さんと話そうと思う。
とはいえ、何から聞けばいいんだろう。無難に誕生日とか？
A「鳳さん、クロスユニットをいいものにするために鳳さんのことを知りたいんですがいくつか質問していいですか？」
瑛「はい。何でも聞いて下さい」
ふわっと笑顔を浮かべる鳳さん。話しやすくていい人だとつくづく思った。
A「……誕生日は何時ですか？」
瑛「誕生日、ですか？」
キョトンとする鳳さん。やっぱりいきなり誕生日聞くのはおかしかったか。
A「すまない。何を話せばいいのかわからなくて………」
気まずくて目を逸らすと鳳さんは首を横に振る。
瑛「いえ、大丈夫ですよ。誕生日は10月20日です」
答えてくれた鳳さんはクスッと笑った。
瑛「すみません。実は今こうして話すまで、Aさんは怖い人……というか話しかけずらいと思ってたんです。苦手なこととか、知れて良かったなって」
鳳さんは緊張が解れたらしい。安心した笑顔を見せた。
A「結構ありますよ、苦手なこと。私はその苦手なことを隠すのが人より少し上手いだけです」
事実そうだった。友達も妹たちも両親も気付いていない私の苦手なことはたくさんある。
A「もう１つ聞きたいことがあるんです」
実はこれが、一番聞きたいことだったりする。
A「鳳さんはどうしてHE★VENSに入ったんですか？」
瑛「父と兄さんに誘われたんです。俺、初めは言われたから入ったんですけど、一ノ瀬さんとデュエットして、もっとHE★VENSの力になりたいって思ったんです」
とても立派な目標を持っていた。
A「もうなってると思いますよ」
自分も同じなのだからだろうか。鳳さんに深く同情する。
A「趣味は？」
瑛「ガーデニングです」
鳳さんに合ってるというか何と言うか……。何故か花に水あげながら、フフッ、と笑っている鳳さんを想像できた。
でもこれは仲良くなってるいい傾向なのでは？よし、この調子なら早くいい曲が出来そうだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：観月るう
| 作成日時：2017年11月29日 0時
