花 29 ページ31
ナオミside
あれから私達はシャイニング事務所に帰ってきた。
クロスユニット、どうしよう…………。話せない予感しかしない。
嶺「ナオミちゃん」
ナオミ「寿さん。仕事お疲れ様です」
ペコリとお辞儀をすると寿さんはにこりと笑った。
嶺「お疲れ。何か考え事?難しい顔して歩いてたけど」
ナオミ「実は、HE★VENSの皇綺羅さんとクロスユニットをすることになったんです」
皇さん、凛としたオーラを感じるんだよね。ちょっと怖いっていうか………。
嶺「あ〜、HE★VENSのことはST☆RISHの方が詳しいよ。聖川真斗って人覚えてるかな?彼が以前デュエットした相手だよ」
ナオミ「じゃあ、聖川さんに聞けば皇さんの事が分かりますか?」
嶺「うん!」
良かった。ST☆RISH のメンバーならA姉か恋羽姉に仲介してもらおう。
嶺「でもね、ナオミちゃん。ナオミちゃんの一番の直さなきゃいけない所は人見知りだから、直接本人と話した方が早いと思うよ」
うぐ……!でも寿さんの言っていることは正しい。人見知りを直すためには自分から話にいかないと。
嶺「あっ!ちょっと待ってね」
寿さんは携帯を取り出して操作し出した。一体どうしたんだろう?
嶺「ねぇナオミちゃん、明後日の午後空いてる?」
ナオミ「へ?は、はい。空いてます」
嶺「明後日ある仕事の下の階で皇綺羅のソロ曲インタビューがあるみたいなんだ。向こうの社長に掛け合って、OKが出たら少しくらい話す時間が出来ると思うけど………。どうする?話す?」
寿さんの目がいつもの優しい目と違う。多分、私は試されている。自分で道を閉ざすか、切り開くか。
ナオミ「……やり、ます!クロスユニットの曲を良いものにするために、皇さんと仲良くなりたいです!」
そうだよ!せっかくアイドルになるためにたくさんの教育をしてくれているのに、何時までも私がこのままでどうするの!
嶺「よし!じゃあ向こうの社長に掛け合ってみるね!」
ぱっと笑った寿さんは早速早乙女社長にそれを許可してくれるかのメールを送っている。
ナオミ「寿さん、ありがとうございます!」
頭を下げてお礼を言うと、寿さんはううん、と首を振った。
嶺「僕が出来るのはここまで。これからを生かすも殺すもナオミちゃん次第だよ。頑張ってね」
ナオミ「はい!」
寿さんのお陰で、何だか勇気が湧いた。皇さんと仲良くなれるように頑張ろう。
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作者名:観月るう | 作成日時:2017年11月29日 0時