花 17 ページ19
ナオミside
寿さんはバライティー番組に出演するらしい。QUARTET NIGHTの代表として他のアイドルグループの代表と戦うと言っていたけど…………何を戦うんだろう……。
嶺「ナオミちゃん、『アドリブ☆シチュエーション!』って番組知ってる?」
ナオミ「はい。俳優さんとか女優さんとかアイドルの方が出てる番組ですよね」
『アドリブ☆シチュエーション』とは俳優や女優、アイドルがいきなり出されるシチュエーションにどう対応し、相手に何と答えるかをアドリブで考えて実際にやってもらう番組だ。恋羽姉が「ネタになる!」と言ってよく見ていた。
嶺「そう!今回はそれに出るんだ!QUARTET NIGHTの代表として負けられないよね!」
ナオミ「寿さんなら絶対大丈夫ですよ。だって…………」
私を泣き止ませてくれた、優しくて、素敵な人ですから。
頭に浮かんだその言葉に驚いて恥ずかしくなって、言うのを止めてしまった。
嶺「だって……何?」
ナオミ「あ、えっと………その……」
ど、どうしましょう!そのまま言うのは恥ずかしいですし!かと言って何も発しないわけにはいきませんよね!会ったばかりの私に寿さんの何が分かるんだって話ですよねごめんなさい!!
嶺「ん〜……まぁいっか。ナオミちゃんが絶対大丈夫って言ってくれたし、僕ちん頑張っちゃうよ〜!」
寿さんは私を見てにっこり笑ってくれた。やっぱり、優しくて素敵な人だ。
嶺「ナオミちゃん」
寿さんは私の頭にポンと手を置いた。
嶺「すぐにとは言わないけど、何時か自分の気持ちをちゃんと話せるようになるといいね。そしたらナオミちゃんの気持ち、もっとたくさんの人に伝わるよ」
ね?と言って私の頭を撫でる寿さん。A姉達が撫でてくれる時とはまた違う、暖かくて、胸の辺りがキュッとした。
嶺「それじゃ、行ってくるね!」
寿さんが行ってバライティーの撮影が始まる。寿さんのシチュエーションは『彼女を惚れさせろ!』だ。寿さん、何をするんだろう………。
嶺「これからキミを惚れさせるから」
彼女(カメラ)の唇についていた指を自分の唇に持っていき、リップ音を立ててキスをした。
嶺「覚悟しておいて」
妖しく笑う寿さんに目が奪われた。結果は寿さんの勝ち。アドリブであれを考えた寿さんはすごいと、改めて感じた。
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作者名:観月るう | 作成日時:2017年11月29日 0時