花 15 ページ17
Aside
音「今日の午後の仕事は映画の撮影!俺はヒロインの事が好きで主人公とヒロインの恋路を邪魔する役なんだ」
私は今、音也と映画の撮影現場に来ている。音也は恋愛映画をするらしい。よくある高校生同士のやつ。音也って制服似合うなぁ。
A「役作りは難しいですか?」
音「う〜ん、役によるかな。自分が感じた事のある心情とかなら分かるから役も作り易いけど、それ意外は………。ほら、今回の俺の役って恋をしないと分からないじゃん?俺、恋をしたことがないからあまり分からなくて……。でもこの話を作った作者さんはとても丁寧に心情を書いてくれているから考え易いよ!」
A「なるほど。何事も経験が物を言う、と」
すぐにメモを取る。アイドルになるために先輩の技をちゃんと見ておかないと。
モブ「一十木さんお願いします!」
音「はい!じゃ、行ってくるね」
そう言って音也はカメラの向こうへ行く。教室でヒロインの葉月という子と2人きりのシーンらしい。
音「ねぇ、葉月」
真剣な声、真剣な表情で音也が葉月を呼ぶ。振り返った葉月を音也は抱き締める。
音「もうあいつを好きになるの、諦めなよ。今まで泣くぐらい酷いことされたのにまだ側にいるつもりなの………?」
音也が抱き締める力を強くする。
音「葉月が泣いてる顔なんて見たくない。俺は葉月を泣かせない。だから_____」
音也は葉月の顔を見て少し苦しそうな、というか、否定されるのが分かっているかのような顔で言った。
音「俺を好きになってよ。俺は泣かせないし、葉月を笑顔にする自信があるよ。だってあいつよりも、葉月を知ってるから」
ふわ……と白いカーテンが風でなびいた。
音「俺はずっと、葉月が好き」
音也は思いっきり感情を出して葉月へ気持ちを伝えている。
それが、本当に告白みたいで。
アイドルってすごい。一瞬だけ、出来ないかもと思ってしまう程だった。
モブ「はいOKです!」
音也は挨拶をして私のところに戻って来た。
音「ふぅ〜緊張した。どうだった?」
A「………凄かったです。本当に告白してるみたいで、見ててドキドキしました」
音「本当?よかった〜」
にこっと音也は笑顔を浮かべる。
それから撮影が続き、音也がヒロインに振られるところまで撮影されて今日の仕事が終わった。
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作者名:観月るう | 作成日時:2017年11月29日 0時