花 11 ページ13
ナオミside
日「これを」
A姉に紙が渡される。恋羽姉と一緒にその紙を覗き込む。
全「ッ＿＿＿＿＿＿！」
紙は、お父さんとお母さんの入学書だった。まさか、2人ともこの学校に………？
月「この人達、貴女達の両親でしょ？」
恋羽「はい。でも何で………！」
早「見ての通り、YOU達の両親はここの生徒デシタ。YOU達と同じようにスカウトしたのデース。あの2人が出会ったのもこの学園デシタ。両親と同じ道、歩みマセンカ？」
お母さんは私たちにお父さんと出会った話をするとき、ピアノがきっかけだと言っていた。お父さんに教えてもらってピアノが上手くなったって。
A「母さん、言ってたんだ。これは多分、2人も知らないと思うけど、母さん本当は、アイドルやりたかったんだって」
私達を見たA姉は目に涙を溜めていた。
A「なぁ、どうしよう………。ここにいれば、母さんの夢を私達が叶えてあげられる。ここにいれば、父さんの事をもっと知れる。アイドル、やってもいいかもしれない」
ドキッとした。A姉が泣いてることにも、アイドルをやってもいいと思ってることにも。
恋羽「A姉、私もやりたいよ、アイドル。だって楽しそうだし！お母さん達が過ごしたこの場所がどんなところなのか、もっと知りたいもん！きっと見たことないものばかりだよ！」
恋羽姉はどんな時でもポジティブだ。恋羽姉の笑顔は何だかその気にさせてしまう。
A「ナオミはどうだ？………やっぱり、駄目か？」
私は人見知りだ。怖いと思えば泣いてしまう。でも…………。
ナオミ「やる。アイドル、やるよ。お母さん達のために」
２人とも驚いてる。私は自分から人前に出ようとするなんて私も自分に驚くほどだ。
月「本当に！？やったぁ！じゃあグループ名を決めなきゃね！」
いきなり過ぎませんか！？
恋羽姉と目が合う。恋羽姉も困ってるみたいだ。
A「…………ストック」
A姉が顔をあげた。
A「ストックがいい」
ストックはお母さんが好きな花だ。プロポーズの時にもらった花だから。
月「じゃあ………こんなのは？」
何処からか紙を取り出した月宮さんは紙に何か書いて私達に見せる。
そこには『StocK』と書かれていた。
恋羽「素敵！これがいい！」
よかった。2人とも笑ってくれた。
早「ミナサーン！今ここに新しいアイドルが誕生シマシタ！」
こうして、私達のアイドル生活が始まった。
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作者名：観月るう
| 作成日時：2017年11月29日 0時
