【マフィア松】『見捨てないでください。六子のマフィアさん。』【おそ松さん】#2

47.Do not run away ページ14

Aside


「行くよ」


辺りは静まり返り、秋虫の声だけが耳に残る。そんな中エンジンをかける音だけが聞こえた。

「作戦は話した通り、配置もすべて話した通りだからね」

トド松さんの声に周りは深く頷いた。


・


ブレーキをかける音が耳に聞こえる。目の前には映画やドラマでしかみたことない程大きな館が建っていた。

「ついたよ」

『ここが…』

大きく唾を飲み込む。頰を掠める冷たい風はまるで私の心を露わにしているように感じた。一応と押し付けられる様持たされた、小型用ナイフを腰のナイフホルダーに入れた。


「怖い？」


『…え？』

十四松さんの目には私の震えた手がうつっていた。

「こんな事したくない？」

『そんな…』

そんな中途半端な気持ちで此処へ来たのではないと、そう言いたかったのに言葉は喉につっかえた。顔を上げると、悲しげに笑う十四松さん。

「僕らも怖いよ、でもね…


＿＿＿＿「逃げちゃいけないから」


私を映す十四松さんの目は、何処かをまっすぐ捉えていた。

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